未来プロジェクト2017に参加する2017年08月28日 23時00分04秒

今年で3回目の参加である。本人もすっかり慣れたのでもちろん今年も一人で出かけた。

自分の体験談を人に語るのは自分を客観視するいい機会である。ましてや対象がこれから医療に携わっていく若者たちなので、本人もやりがいを感じているようだ。

1年に1度、初心に帰るような気持ちがすると言って帰って来た。今年はもうあまり内容を尋ねなかったが重い相談もあったみたい。

有意義なイベントだが今年で最後のような噂もちらっと聞こえてくる。何らかの形で今後も関われるとよいのだが...。

この4年はまさにリアルタイムで社会復帰へのステップと重なっている。タムリーにオファーを下さったCYさんはじめ関係者の方々に感謝している。

未来プロジェクトに参加して2015年08月30日 09時22分50秒

福岡直撃の台風の後、朝夕はずいぶん凌ぎやすくなりました。息子は皮膚トラブルがあったくらいで、大きく体調を崩す事はなく夏を乗り切れそうです。

今月末でちょうど退院して2年が経過しました。再入院することもなく、少しずつ薬も減ってきて、ゆっくりゆっくりですが、普通の人に近づいて来たように思います。

移植後2年たった頃から本人も少し余裕が出て来たのか、仕事以外にも、最近始めたばかりのテニスを楽しんだり、今回は誘ってくださる方がいらして、ボランティアにも参加してみたりと忙しくしています。

ボランティアと言っても、現場研修に出る前の医療系の学生さんたちの前で自分の体験を話すだけなのですが、記憶を一部失くしている息子にとって、これはとても勇気のいることでした。

言葉に詰まったりしないようにと原稿を書き、5分以内に収まるようにと何度も読む練習をして臨みました。不安そうなので一応私もついて行きましたが、そんなことは杞憂に終わり、息子はこの一歩を踏み出したことで自信がついたようでした。

自分の体験がこれから医療者となる若い世代の役に立つ。こんなに救われる経験が他にあるでしょうか?

病気をしてからの息子は与えられるばかりの立場だったと思います。与えられるべき物を与えられない不幸もありますが、一人の自立した人間として与えられるばかりでも幸せとは言えないと思います。

この日息子はセミナー後の懇親会へは一人で参加しました。深夜に帰宅し、一緒のテーブルになった学生さんたちと意気投合し、写真を撮ってLINEのグループを作ったと嬉しそうに話してくれました。

このイベントは未来プロジェクトと言って、、医師、薬剤師、看護師、臨床心理士、理学・作業療法士、放射線技師など医療従事者を目指す学生が集まって、臨床で活躍している先生や乳がん体験者のかたと一緒に「患者さんのためのチーム医療」を考えるプロジェクトです。

九州がんセンターの大島先生が理事をされているNPO法人ハッピーマンマが主催されている催しで今年で8回目になるそうです。http://www.congre.co.jp/happymamma/event.html

だからでしょうか、体験発表の半数が乳がん経験者の方で、息子のように若い血液がんの発表者は他におられませんでしたので、学生さんたちに与えたショックは大きかったようでした。

ここに自分から申し込んで参加されている学生さんたちは、もうそれだけで意識が高いと思いますが、こういう活動が広く世間に認識されて、医療者と患者のコミュニケーションが上手く取れるようになれば、治療効果も上がっていくことでしょう。

これは医療者だけでなく患者・家族も勉強していかなければならないことですよね。単なるクレーマーにならないように、しかし自分の望むことはしっかり伝えられるように。コミュニケーションって難しいですね。

20周年記念医療講演会が無事終わりました!2014年11月23日 09時42分22秒

11月15日(土)はリボンの会20周年記念医療講演会が浜の町病院3階研修講堂で開催されました。当日は天候にも恵まれ、180名近くの参加者がありました。

半年前から告知し頑張ってきた甲斐があったと、運営スタッフ一同喜んでおります。ご協力頂いた先生方、メーカーの皆様、参加された皆様に心からお礼申し上げます。

そんなに盛会だったのにどうしてこんなに報告が遅いのかって?

それは管理人のPCが翌日に壊れてしまい、メーカーに修理に出していたからなんです(T_T)このPCはまだ新しく、壊れるなんて想像もしていなかったので、管理人は軽くパニックに...。

故障していたのは液晶パネルの部分で、中身には問題なくデータは全くそのまま初期化されずに戻ってきました。しかも保証期間内だったので無料でした。よかった~\(^o^)/

ここのところ忙しくて、バックアップを全く取っていなかったので一瞬青ざめましたよ、ホントに。皆さんもバックアップはこまめに取りましょう。

若者ならスマホからでも記事のアップは出来るのでしょうが、私にはとても長文は無理っ!大体こんな稚拙な文章でも、あっちを削りこっちを足しして、かなりの推敲を重ねているので時間がかかるのです。

話が講演会から逸れました、すみません<(_ _)>

講演会は2部形式で、1部が医師による講演、2部が患者・家族らのパネルディスカッションでした。

最初に、浜の町のイケメン(いらない情報?笑)中堅エース、齋藤統之先生が登場。「血液の病気について知ろう」と題して話して頂きました。

これは病気になって日の浅い患者さん対象で、話の内容も分かりやすくてよかったのですが、特に素晴らしかったのはパワーポイントによるお手製のスライドでした。

たくさんの講演会に行ってる管理人ですが、あんなの初めて見ました。先生方はお忙しいので、あれ?これどこかで見たスライドだなって思うこともしばしばですが、齋藤先生のはオリジナリティ満載でした。みんなレジュメが欲しいな~なんて言ってました。

講演の対象をどこに絞るかは悩ましい問題ですが、毎日毎日新しく告知を受ける患者さんはいる訳で、こういった基本を押さえた講演もやはり必要だと感じます。

次に、日本でもっとも有名な血液内科医のひとりで、心優しき薩摩隼人である虎の門病院の谷口修一先生の登場です。衛藤先生もプロフェッショナル~仕事の流儀~に出演されたと紹介されていました。故市川團十郎さんの主治医でもありました。

先生は虎の門病院に行かれる前は浜の町病院に在籍されていて、当時からリボンの会を支えて下さっていました。管理人が入会する前の話です(^_^;)

先生には「ここまで進んだ造血幹細胞移植」と題してお話し頂きました。細かい事はさておき、「今、移植が必要な患者にドナーが見つからないということはありえない。」と仰っていたのが印象的でした。

それほどドナーソースの選択肢が増え、移植の技術が進歩したからです。かつて骨髄バンクはとにかくドナーが足りない、増やせ増やせと頑張って来ました。もちろんたくさんのプールがある方がいいには決まっていますが、今やさい帯血移植の割合がそれをしのぐほどになっています。

さい帯血移植は体格の比較的小さい日本人に向いているので、日本で多く行われ技術が進歩してきました。虎の門病院で先頭を切って、この分野を開拓してきた先生の熱い思いがよく伝わりました。

参加者の感想にもありましたが、谷口先生という方は独特のオーラがあり、患者に安心感を与えるのだと思います。普通、患者にここまで腹をくくって物をいうことはなかなか出来ないことだと思います。

話の内容は初心者の患者さんにはちょっと難しかったかもわかりませんが、何かを感じて帰ってもらえたのではないかと思います。

休憩を挟み、第2部は「病気を乗り越えていくために~患者にできること、家族にできること~」と題したパネルディスカッションがありました。

患者3名、家族1名、アドバイザーとして衛藤先生、宮地代表、司会の7名で進めました。

これには管理人も初めて顔と名前を公表して家族の立場で話をさせてもらいました。18歳の初発時、私は病気が息子の将来にとって不利益になると考え、匿名で活動してきましたし、必要以上に世間に言うことはありませんでした。

昨年再発して会社に病気のことが知られ、また本人もフェイスブックでカミングアウトしたこともあり、少しずつ世間に向かって発信してゆく気持ちになりました。

とはいえ、病気は息子の個人情報であり、私の一存では決められないので、今回も息子にパネラーになってもよいかと尋ねましたら、快く了承しましたので出させて頂いたのです。

緊張してうまく思いを伝えられたかわかりませんが、自分の気持ちの整理のためにも参加してよかったと思います。

今回講演会の感想カードを作成しませんでしたので、参加者の生の声があまり聞こえてきません。このブログを読まれた参加者の方がいらしたら、コメントに感想を頂ければ嬉しいです。

副題が「~泣いて、笑って、寄りそって・・・ひとりじゃないよ~」だった今回の講演会、いかがだったでしょうか?自分は決してひとりじゃないという思いを胸に帰途につかれた方が一人でもいらっしゃれば幸いです。

まだ時期は決定していませんが、次回の定例会にぜひいらして今度は自分の思いをそこで話してみてください。心が軽くなりますから。

つばさフォーラム in 福岡に行って来ました!2014年10月13日 10時07分16秒

NPO法人血液情報広場・つばさフォーラム in 福岡が10月11日(土)13時~17時、パピヨン24ガスホールで開催されました。

今回は特にお手伝いの要請もなかったので、一聴衆として参加し、心ゆくまでお勉強してきました。

構成は3部形式で
①全体会の講演(血液疾患に関する)2本
②疾患別に5つの分科会に分かれて講演とQ&A
③全体会の講演(QOLに関する)2本
でした。

最初の全体会の座長は九大第一内科教授の赤司浩一先生が務められ、総合司会はつばさ代表の橋本明子さんでした。

ま、ひとことで言えば全体会と分科会合わせて総勢15名の豪華な医療者の顔ぶれにため息が出ました。ここが全国レベルの患者会としがないローカル患者会の違いなのか...(-.-)

しかしローカルにはローカルの良さもある訳で、私たちは「顔の見える」患者会を目指してるんだから、これでいいのだ!と思いつつも、来月のリボンの会の20周年記念講演会と被らなくてよかった~と胸を撫でおろしたのでした。

内容は初心者の患者さんにはやや高度だったかもしれません。色んな講演会に行きつけている管理人くらいのレベルなら興味深く聴けました。

管理人も加齢のせいか、新しい情報でなくても、この間聞いたこともすぐ忘れてしまうので、何度も講演会に足を運び繰り返し聞くことは、知識が定着するために有意義なことだと思いました。

7月の九大の医療講演会の内容と重なる部分もあるので詳細には書きませんが、時間が押してしまって最後の講演の1つ、原三信病院看護部 横田宜子先生の話は泣く泣く聞けずに帰って来てしまいました。

患者の原疾患に関する情報というより、QOL(生活の質)関する講演は、これともうひとつ九大全身管理歯科の二木寿子先生の口腔ケアの演目が用意されていたのですが、これは今回も取り上げて頂き本当によかったと思いました。

前回の九大の時よりさらにパワーアップした内容で分かりやすくなっていました。たくさんの患者さんたちに知ってもらいたかったので嬉しかったです。

嬉しかったと言えば、二木先生が5月から非常勤で浜の町病院にも来て下さっているというニュースでした。息子の移植の時は口腔ケアをさせるのに本当に苦労しました。

浜の町病院には歯科がなかったので、術前の検査も外の開業医の方を招いてのことでしたし、移植中やその後も看護師さんや私が口を酸っぱくしてケアの重要性をへろへろの息子に説き、ヘルプしていましたから。

移植患者を回診してくださるようになったのは夢のようです。それが移植の成績に即結びつくかどうかはわかりませんが、患者にとっては心強く有難いことです。

最後に5つの分科会ですが、私は急性および慢性リンパ性白血病の会に参加しました。座長が長藤先生(久留米大)で演者は亀崎先生(九大)のコンビでした。

疾患の一般的な講演の後、いくつかのQ&Aがあり、丁寧に答えて頂きました。私が印象に残ったのはALL(急性リンパ性白血病)の方で移植後6年たっても感染症を繰り返すのはどうしたものか?という質問でした。

もう免疫抑制剤は切れているのですが、移植患者にいはやはりごく弱いGVHDがあり皮膚がざらつくように粘膜にも細かい荒れがあるため、感染症(風邪・副鼻腔炎・滲出性中耳炎など)にかかり易いのだそうです。

基本的には手洗いうがいなどの予防と罹ってしまったら対症療法しかないということでした。(心の声)「それは確かにそうなんだけどな~再発しないまでもいつまでも色んな不自由さと付き合っていくしかないんだな~」

あとCLL(慢性リンパ性白血病)の方で、日本では少数のこの疾患の患者さんは情報を求めてアメリカまで検査に行かれてあまり思うような結果が得られなかったというものでした。

CLLの患者さんの孤独は深いものがあります。リボンの会でも私は2人しか知りません。仲間が少ない上に経過観察を言われることが多く、治療開始をいつすべきか、など悩みは尽きません。

長藤先生はCLLは身体から追い出す事より共存を考えてくださいとアドバイスされていました。ALLはなんらかの治療をしないと数週間の余命ですが、CLLは無治療でも14~5年の猶予があります。

移植などのきつい治療が却って合併症などで命を落とす危険性があるので薦められないとのことでした。またオファツムマブのように新しく保険適用になった薬もあるので、焦らず経過観察をしてくださいとのことでした。

他の分科会のことはわかりませんが、最後まで残っていたリボンの会の誇る優秀な会報作成者がまた詳細な情報を書いてくれると思いますので私はこの辺で...。

あ~、ホントに早く風邪治さなきゃ、もう3週間くらいになるよ。講演会に行くのもマスクして肩身が狭いっす(^_^;)

ネクサスのリンパ腫医療セミナーin福岡に行ってきました!2014年04月13日 14時32分32秒

4月12日(土)福岡大学病院メディカルホールで行われたネクサスのセミナーに行って来ました。

毎年1回この時期にグループ・ネクサス・ジャパンという悪性リンパ腫の全国規模の患者会が主催する福岡でのセミナーです。

私は白血病の息子を持つ母ですが、同時に悪性リンパ腫の母を持つ娘という立場でもあり、母のために新しい治療法の情報を求めて参加しています。

母はびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)で4年前、化学療法、放射線治療、外科手術という悪性リンパ腫のフルコースを辿りましたが、無事生還し今も寛解を保っています。

今のところDLBCLの予後は比較的良く、83歳という高齢ですが自立してひとり暮らしをしています。しかし、息子でも9年たって再発したので、再発の可能性はゼロではないといつも思っています。

患者である母はのんきな性格で病気は治療で治ったと思い込んでいるので、それはそれでとてもいいことだと思います。再発しないコツは再発という言葉すら忘れていることだと先輩患者さんから聞きました。

今回のセミナーで感じたのは血液疾患の分野は白血病であれ悪性リンパ腫であれ、本当に日々進歩しているのだという点です。

個別には書きませんが、昨年のセミナーで治験中だった新薬が今年はもう終わって申請中であるとか、ある病気の薬が別の病気に効果のあることがわかり保険適用なったとか、毎年新しい情報がもたらされます。

医学の分野は日進月歩ですが、医療の現場においては昔から変わらぬ悩みがあるということを、今回の鵜池先生(九州がんセンター)のお話で再認識しました。

それは医療者と患者・家族のコミュニケーションの問題です。これは古くて新しいテーマですね。患者会でも主治医とコミュニケーションが上手く取れない悩みはままあります。

患者の側からは、先生は忙しいのだから、要点を手短にメモして、必ずアポを取って、先生が無理なら看護師さんや心理士さんを通して、とかアドバイスしてきましたが、今回は全く逆の医療者の側からの歩み寄りでした。

CST(コミュニケーションスキルトレーニング)といって医療者が患者と向き合う時の表情・身ぶり・姿勢・声の調子などが言葉そのものより、影響が大きい為トレーニングが必要という報告でした。

そして意外に「沈黙」や「間」の使い方が重要だという点も分かってきたそうです。特に悪い情報、伝えにくい内容の時に間の取り方には効果があるとのことでした。

そして近年CSが治療効果に与える影響が学術的にも注目されてきたというのです。これは何も論文でなくても経験として患者は実感することがありますよね。

柔らかい言葉や表情で言われたら質問してもいいのかなって思うし、PCの画面ばかりみて患者の顔もみない先生なら聞きたい言葉も飲みこんでしまうでしょう。

患者は医師に命を預けるのですから、信頼関係を築けない医師に充分な説明もなく、また説明されてもわからない状態で過酷な治療に立ち向かうことは出来ません。

そこでがんセンターではわかりやすい言葉で書かれた意志決定シートを作成し、医師との面談に臨む前に読んでもらうようにしているそうです。

特に移植のような治療はあらゆる場面で生と死は表裏一体で、わずかなことでどちらへ転がるかわかりません。

移植が成功したら何がしたいか?ということと併せて、移植中最悪の事が起こったらどうしてもらいたいか?というアドバンス・ケア・プランニングが必要となってきます。

患者が治療を受けている途中、もし自分に意思決定能力がなくなっても、自分が語ったことや書き残したものから自分の意思を尊重して、最善の医療を選択してくれると思えるようなケアは、それまでに築いた信頼関係がないと出来ません。

このような話は医療講演会では初めて聞きました。鵜池先生のお人柄が垣間見えるような講演でした。

それにしても生命のかかったコミュニケーションってむずかしい。医療者にもいろんな方がいるし患者もまた然りですもんね。

退院27週目(day264-day270)2014年03月08日 09時58分09秒

退院27週目は寒の戻りにもめげず、体調良好。

先生が学会で今週も外来はなし。

皮膚症状はやはりロコイド(ステロイド)を止めるとひどくなるので、また復活。ヒルドイドだけでは無理みたい。ステロイド長くなるのかな~?

体調良好の指標として、「今週から息子はゲームを始めた!」ことが挙げられる。しょーもなって思った人いるかもしれないが、これはスゴイことなのである。

最初はTVを見る気力も無かった。最近昼間も起きてるな~と思ってたら、ゲームをしている。昔は相当好きだったし、移植前も病院でやっていた。移植後9ヶ月たって大好きなゲームがようやく出来た。気力が充実してきた証拠だ。

な訳で突然だが、気分転換を兼ね「新鮮な魚介類を生で食す」目的の一泊旅行へ出かけてみた。

病院からは退院の時食べてもいいよって言われていたが、今まで本人が食べる気にならなかったらしい。もともと魚好きなのに、煮魚や焼き魚でも生臭いと言っていたくらいなので退院後は肉料理が多かった。

結果、生のウニと貝はパスだけど、シマアジ、ヒラメ、イカは刺身でガッツリ、アワビはバター焼きを少し食べた。刺身を食べたひとくち目の感動はすごいものだったらしい。傍でみていても伝わった!!

心配なのはそれからだよね。その夜...何もなかった。翌日も...何もなかった。よかった\(^o^)/

宿泊先に細かく、お風呂や食べ物の制限、部屋の空気清浄器に至るまで注文をつけ、さぞウルサイ客だと思われただろうが、万事滞りなく準備して頂き感謝している。

帰りに熊本城と水前寺公園に寄ってみた。息子は初めて、私たち夫婦も30年ぶりくらいだろうか。すっかり忘れていたので新鮮だった。息子は天守閣までの階段も登り、かなり長い距離を歩き通した。

くまもんは大津の方へ出かけていて会えなかった。残念、会いたかったな~♪

思えば1年前の息子は忙しく働いていて休みにも帰って来れないくらい疲れ果てていた。再発が発覚するのは1年前のこの後すぐ。いろいろあってもうダメかも...と思った1年だったが、幸せなことにこうやって今、旅行ができるまでになった。

どれだけの多くの人に支えられて今があるのか、考えない日はない。先生、看護師さん、臍帯血を下さったお母さんと赤ちゃん、患者仲間、献血してくれた方、友人たち、彼女、あげれば切がないが、みんなのお陰で生かされている。

本当にありがとうございます。

全国協議会九州ブロックセミナーに行ってきました!2014年02月18日 09時27分58秒

2月16日(土)9時30分より、認定特定非営利活動法人・全国骨髄バンク推進連絡協議会(長いので全国協議会と略す)の九州ブロックセミナーが中央市民センタ-で開かれました。

福岡の場合、実際のドナー登録活動などは骨髄バンクボランティア福岡(略してボラ福)が行っているのですが、そこにリボンの会のメンバーが数名所属しています。

リボンの会は患者団体として唯一全国協議会に加盟していますが、ボラ福は全国協議会に加盟していないので、何となく会議には私たちリボンの会が出席することになっています。

今回は東京から全国協議会理事長の野村正満さんがお見えになり、今年の1月から施行された造血細胞移植推進法を受けて、成立の経緯と新法下でのボランティア活動の今後について講演されました。

要は、今までボランティア活動に頼っていたドナー募集と登録業務を日本赤十字社が日常業務として行うことになります。

即ち日赤に献血に来た年間ほぼ530万人を対象にドナー募集を行うので、今まで数十人の規模で行っていた登録が、一気に数万人の規模で登録可能になる訳です。したがって骨髄バンク財団の説明員制度も数年後には廃止の予定です。

さい帯血バンクネットワークも、実際のさい帯血の保存は各バンクにおいて現行のままですが、データなどの情報管理&提供は日赤が行うことになり、ネットワークは自体は今年の3月で解散します。

こうして新法下では日赤が骨髄バンク財団と各さい帯血バンクの支援機関となり、今までのデータセンター業務に加え包括的に情報を管理提供するシステムを運営していくのです。

こつこつとボランティアを続けてこられた方の中には新システムに戸惑いを覚える向きもあるようで、今後のボランティア活動の在り方について説明されました。

これまでボランティアにより支えられてきたドナー登録44万という数字には自信と誇りを持ってよいのですが、今後の活動の内容は少し変化してゆくはずです。

広く市民の共感を得るための草の根的な普及啓発活動は今後ますます必要になります。その他にも、患者支援の取り組みとして医療講演会、患者相談、患者サロンなどの開催、またより良い骨髄バンク、さい帯血バンクを目指すための提言などが役割として挙げられていました。

骨髄バンク財団に対してはコーディネートの迅速化、ドナーのモチベーションを持続させる取り組み、患者負担金の解消、等々、今までの登録業務が日赤に移管する分、一層力を入れて取り組み早急に改善してもらいたいと提言されていました。

野村さんの後は、福岡ファミリーハウス代表の徳永和夫さんが講演されました。

徳永さんは長年日赤に勤められ、自身も2回の骨髄バンクドナーになった経験をお持ちです。日赤在任中からファミリーハウスの代表としてボランティア活動をされています。

ファミリーハウスとは小児の難病治療のため、長期間自宅を離れて付き添う家族のために安く宿泊施設を提供するシステムです。

詳しくはこちらをご覧ください→http://www11.ocn.ne.jp/~fufamily/index.htm
寄付も随時受け付けているのでよろしくお願いしますm(__)m

今回はファミリーハウスの歴史を写真でご紹介いただき、若き日の谷口先生(現・虎の門病院)など懐かしい顔ぶれを拝見しました。

久留米大学血液疾患医療講演会に行ってきました!2013年11月12日 11時34分57秒

2013年11月10日(日)久留米大学医学部 血液・腫瘍内科主催の医療講演会に参加しました。思った以上に多くの参加者があり、会場は熱気に包まれていました。

息子と一緒でしたので、全部で6つの講演のうちの前半3つしか聴くことが出来ませんでしたが、私たちにとってタイムリーなテーマがありましたので、少しお話ししたいと思います。

それは「造血幹細胞移植の長期フォロー」と題した永藤宏司先生の講演でした。

CIBMTR、EBMT、ASBMTが共同で作成した、地域医療従事者に対する自家および同種移植後のスクリーニングと合併症予防に関する長期フォローアップガイドラインを要約して説明されました。

CIBMTR:Center for International Blood and Marrow Transplant Research
EBMT:European Group for Blood and Marrow Transplantation
ASBMT:American Society for Bone Marrow Transplantation

ガイドラインの対象者は移植後6ヵ月以上を経過した患者です。晩期合併症は、同種移植患者に特に多くみられますが、自家移植患者にもリスクがあるため、全移植患者に対して、晩期合併症の注意が必要です。

そもそもガイドラインが作成されたのには、白血病などの血液疾患が不治の病からある程度治る病気になってきたという背景があります。原疾患が治癒した後の晩期障害については、血液内科医が血液データだけ見ていても不十分だからです。

そこで移植患者が退院後に留意すべき3つの点についてわかりやすく説明されました。

1.健康的な生活をする。

①バランスのよい食事をとり体重の増加を抑える。

移植経験者は動脈硬化になりやすく、免疫抑制剤で高血圧や高血糖、ステロイドでも食欲増進を起こすため成人病のリスクが高くなる。

適切な食事とは昔は無菌を意味したが、今では体に有害な菌が少ししか入っていないものを意味するよう変わってきた。

医師によって判断が異なるがあまり神経質に制限する必要はない。元来、人間の身体には菌がいっぱい存在しているのだから無意味。

②適度な運動をする。

成人病の予防とステロイドの影響を受けて下がった骨密度を上昇させる。

③禁止事項

たばこ&日焼け

特に免疫抑制剤を服用中は服装や日傘、日焼け止めクリームなどで防ぐ。日焼けはGVHDの引き金になったり、悪化させたりする。皮膚のみならず他の臓器にも影響がある。

2、定期的な健康チェックを行う。

血液内科以外の領域は患者自身が主治医に声をかけることも必要になってくる。

①患者と家族は一緒に受診した方がベター。
②血圧、心臓、血糖などは個別にチェック。
③2次性がんのチェック。
④歯科、眼科の受診。
⑤予防接種。

大きく分けて生ワクチンと不活化ワクチンがあり、移植患者が受けてよいのは不活化ワクチン。インフルエンザは不活化ワクチンなので移植後6ヶ月以上の患者は受けて良いが、患者と周辺の人全てが受けないと意味がない。

最新のガイドラインでは、風疹は移植後2年で免疫抑制剤を服用していない人は抗体検査を受けて、抗体がなければ接種してよいことになっている。

参考までに日本造血細胞移植学会のガイドラインは↓
http://www.jshct.com/guideline/pdf/2008yobousesshu.pdf

3、自分の情報は自分で把握する。

血液疾患は長期フォローが必要な疾患であり、病院のカルテ保存義務は5年である。これからは患者も自分で自分の情報を管理する心構えが必要である。

主治医に相談すれば情報を提供してもらえる時代になっている。

最後に...
先生からのアドバイスを3つ。

①100%病気に罹る前の状態には戻らないと思って生活する。
②不必要なことはしない(過度な制限は無意味)
③必要なことをしっかりする(手洗い、ハミガキ、予防接種など)

普段あまり医療講演会では取り上げられないテーマだったので大変参考になりました。

食事で迷うことの多い私でしたが、「基本的に誰がどのように作ったものかが分かる物を食べなさい。」というアドバイスが一番ピンと来ました。

そしてどうしても食べたいものがあったら長藤先生は「食べてみなさい。」と仰るそうです。ただ、何かあった時には何をどのように食べたかを伝えれば対処の方法はあるのだからとユーモラスな感じで結ばれました。

他にも5つ演目があったのですが、それはCYさんが次号の会報で伝えてくださると思います。


※造血幹細胞移植後の長期フォローアップガイドライン
  →http://www.hsct.jp/focus/0712/fc1.pdf

会報発送作業&茶話会しました!2013年10月29日 20時00分30秒

10月28日(月)13時30分~16時30分ふくふくプラザ201号室にて会報発送作業と茶話会をしました。

常連メンバーに新しい方も3名加わって、まずまず人手はあったので後でゆっくりお茶を飲むことが出来たみたいです。

当日いつものように「これから会報作業に行ってくるね!」と息子に声をかけて出かけようとすると、珍しいことに「オレも行く!」と言ってついてきました。

無理しなくてもいいというと、「寒い季節には出歩けないし、今回くらいしかもう手伝える機会がないと思うから。それに人手はあるに越したことはないでしょ。」とごく自然な感じで言いました。

お役に立てたかどーかはわかりませんが、おばさんたちのオシャベリを聞きながら、黙々と作業をしていました。これくらいの軽作業がいいリハビリになるんじゃないかと思います。

茶話会は失礼して先に帰ったのですが、さすがに疲れたのか夕食までずっと寝ていました。私もついでに昼寝しちゃいました(笑)

平日の昼間なんて仕事に復帰したらもう来られないから、いい経験させてもらったと思います。

私にとってふくふくプラザでの作業は初めてでしたが、なかなかいい所です。予約を取るのが大変そうですが、しばらくはここを利用して色んなことを行う予定みたいです。

会報もうすぐお手元に届きます。会員の声コーナーが復活しましたので是非お便りお寄せください。お待ちしています(^O^)/

「がん患者と相談者のための就労セミナー」へ行ってきました!2013年10月06日 10時38分06秒

2013年10月5日(土)「がん患者と相談者のための就労セミナー」がアミカスで開催されました。

主催はがん・バッテン・元気隊(http://fcsc.jp/page8.html)です。

興味あるテーマで体調もよかったので息子も参加しました。会場は予想どおり固形がん(特に乳がん)の患者さんや相談者が多いような雰囲気でした。

みんなものすごく元気そうに見えて、マスクを着けている人も数えるほどしかいないので息子はちょっと場違いな感じでしたが、話の内容は初めて聞くようなことばかりで勉強になりました。

医療講演会とは違いテーマが「就労」ですので、演者やパネリストも多彩で、

国立がん研究センターがん対策情報センター長 若尾文彦さん
NPO法人がんサポートかごしま理事長 三好彩さん
福岡がんサポートセンターの方
医療ソーシャルワーカーの方
産業カウンセラーの方
社会保険労務士の方
乳がん患者の方

などなど、それぞれ専門の立場で話されました。

特に医学の進歩でがんが治る病気に変わってきた今、自分から簡単に仕事を手放さないということが重要だそうです。

もちろんそれは収入の糧という意味合いが大きいですが、他にも生きがい・アイデンティティとか社会への貢献などもあり、厳しい治療を乗り越えるための目標でもあります。

私も今までがん情報サービスのHPは何度も訪れていますが、病気のことを調べるばかりで就労に関する以下のようなページがあることに気付きませんでした。

患者必携「がんになったら手に取るガイド」の中の
http://ganjoho.jp/hikkei/index.html

「社会とのつながりを保つ」のページ
http://ganjoho.jp/hikkei/chapter2-1/02-01-02.html

なお「がんになったら手に取るガイド普及新版」が2013年9月13日に改定されましたので、PDFをダウンロードしてみることも出来ます。
http://ganjoho.jp/public/qa_links/hikkei/hikkei02.html

乳がん体験者の話も、病気の事をカミングアウトするのか?どうやって職場復帰を果たしたか?とか治療を続けながらどのように仕事の折り合いをつけていくのか?を具体的に話されました。

社会保険労務士の方も「どんな会社でも一方的に解雇することはできないから、自分から辞めることはありません。よく考えて最良の方法を考えましょう。」と以下の4点を挙げられました。

①就業規則をよく知る。
  利用できる制度はできるだけ使う。
②休職制度の有無を調べる。
  これは企業に一任されており義務ではないので、休職中の賃金や復職の条件は様々である。
③傷病手当を利用する。
  各種保険組合が1年6ヶ月の間、おおよそ賃金の2/3を目途に支給する。
④障害年金を申請する。
  初診日に被保険者であることや、保険料の納付状況により条件が変わる。障害認定日は初診から1年6ヶ月後か治癒した日をさす。

いずれの情報もインターネットを利用しなければ辿りつかないので、とにかく地域の相談支援センターに相談してみることが近道と言えそうです。

福岡県の相談支援センター
http://hospdb.ganjoho.jp/kyotendb.nsf/fSoudanShienCenterIchiran?OpenForm&p=40

ここでいろんな方法を紹介をしてもらえますが、このページもネットでないと調べられませんよね(^_^;)

息子も初発の時は周りにカミングアウト出来ませんでした。就職時も5年以上経過していて何も尋ねられなかったので病気のことは非開示でした。

しかし再発した今、会社や同僚にはすっかり知れ渡り、自らもFBで告知しているので以前より気が楽です。

患者の権利を声高に主張するのではありませんが、納得するまで療養しより良い状態で復帰するのが、会社にとっても自分にとっても良いのではないかと思えてきました。

患者体験談の中で自分が出来ない仕事を同僚に代わってもらう時、「すみません、ではなく、ありがとう、と言うように心がけている。」と話されたのが印象的でした。いつもすみませんと謝ってばかりではネガティブな気分になるからだそうです。

病気だから当然といった態度で休んだり時短を願い出たりすれば、最初は優しい周囲の人もだんだん不満を持つようになります。

本当は病気を克服するだけでも大変な思いをして来たのだから、こんなことにまで気を遣わず、温かく見守ってもらいたい思いもありますが、現実には病気でなくても厳しい就労の状況があるので失職しないだけでも幸運なのでしょう。

セミナーが終わって最後に息子が「何事も感謝の気持ちとコミュニケーションが大切ってことやね。」と言っておりました。

このセミナーで得た知識をもとに復帰へのシナリオをゆっくり考えてみたいと思います。