HCUで七夕デート(day26-day27)2013年07月07日 22時25分08秒

昨日はモノスゴイ一日でした。

朝行くと、やはり息子はいつもの息子に戻ってはいませんでした(涙)

これでもしかしてリリカの副作用や心因性の記憶障害かも?という微かな望みは消えました。

どんどん記憶障害が進み混乱がひどくなる息子ですが、おっとりと何も困った様子は見せず、何度も現状の説明を求めます。

とうとう自分が移植を受けたことすら思い出せない状態になってしまいました。まるで別の人間になってしまったようでした。

唯一の救いはあれだけ悩まされていた上半身の神経の痛みがあまり感じなくなっていることだけです。それも救いといっていいのかどうか...。

自分がどのような状態にあるのかを忘れてしまうので、危なくて目が離せません。血小板が低いので転ばないようにとか、手洗いうがいをしなくてはとか、あれだけ無菌室で気をつけていたことも白紙のようになっていました。

それでも一日付き添って面会終了時刻には後ろ髪をひかれる思いで病室を後にしました。

くたくたになって夕食、入浴を済ませた午後11時ごろ、突如携帯が鳴り、一時意識がない状態になったのですぐ来院してくださいと言われました。

その驚きと悲しみは筆舌につくしがたいものでした。取るものも取りあえず駆けつけると酸素マスクをつけた息子がベッドごとCTの検査室に運ばれるところでした。

もう意識は回復しているようでしたが、HHV-6ウイルスの再活性化による痙攣と呼吸停止で一時意識がなくなったとの説明でした。幸い呼吸停止はウイルスによるものではなかったようで人工呼吸器をつけるには至りませんでした。

あの過酷な移植のトンネルを抜けた先に待っていた生着の喜びと相反するように、今度は恐ろしいウイルスの日和見感染が待っていました。

事前に説明は受けていたものの、予防的な措置はされていたので、まさか自分の息子に降りかかってくるとは思ってもみませんでした。

結局HCU(ハイケアユニット)に移され様子を見てもらうことになり、私たちも明け方まで付き添って一旦家に戻りました。

私は一大決心をして息子の彼女に電話をし来てもらうように頼みました。ずっと彼女が会いたがっていたのに、息子は無菌室で苦しむ自分の姿を見せたくなくて、待ってもらっていたのでした。

昨夜のようなことがまた起こって、万が一彼女に一度も会えずに逝ってしまったら、そこまでなくとも人工呼吸器が着いて話せなくなってしまったら、息子も彼女も可哀そうで悔やんでも悔やみきれません。

奇しくも七夕デートになりました。彼女には予め事情を説明しておきましたが、ひと目みてショックを受けたのはわかりました。それでも気丈にも最後まで涙をみせずにいてくれたのは本当にありがたかったです。

息子は最初ぼーっとして反応が薄かったのですが、はっと目に光が宿り彼女の名前を呼びました。そして2人でアルバムを見ながら思い出を辿っているようでした。

今後は本来の移植後の治療を受けながら、抗ウィルス薬や抗てんかん薬を継続し、ここから数週間かかってHHV-6ウイルスを減らしていくしか道はなく、減ったからといって症状がなくなる保障はないそうです。

七夕の日に会いに来てくれた織姫のような彼女の笑顔が一番のお薬になりますように!

コメント

_ c.y ― 2013年07月08日 01時25分20秒

移植は何が起きるか判らない…
判っては居ても、やはり起きないと信じて
回復を待つのがご家族のご心情でしょう。
筆舌にしがたい思い、心が痛みます。

何もできませんが、私のドナーさんがくださった
お手紙に書いてあった一節を送ります。

「七月は願いごとをするにはよい季節です。
 当日、雨が降ったって構うものですが。
 空の上には星が輝いていることを
 私たちは知っています。
 どうか願いが叶いますように。」

_ リボン管理人 ― 2013年07月08日 22時44分52秒

いつもありがとう。
今日は口数も多く昨日より少し反応があるように思えました。
彼女効果は絶大ですね!
そして何日ぶりだろう、プッチンプリンを1個食べました♪
舌は痺れているけど甘味は感じると言っていました。

HCUにいるので気を遣いながらも面会時間より
少し長く居させてもらっているのですが
私が帰る時服を引っ張って子どものように
「寂しいからもう少し居て!」というのにはホロリ...
最近の記憶が抜け落ちて昔に戻ってるのかな~?

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