退院48週目(day411-day417)2014年08月02日 08時34分15秒

退院48週目、皮膚症状ひどくなる。

復職して2週間経った。

慢性GVHDでふだんからちょっと肌が荒れてきたらヒルドイドソフト軟膏にステロイドの軟膏をプラスして塗るようにしていたが、復職後しばらくしてから鼻と口の周りの赤味と痒みがひどくなり、ステロイドが効かなくなったのでニゾラール(抗真菌薬)を試していた。

カビの勢いは止まったようだったが、ガサガサと皮膚が白くなって剥がれ落ちるのが止まらない。小鼻の横が切れて出血する。接客業なので不快感を与えないようマスクをして仕事をしていた。

ようやく外来受診の日がきたので血内の先生から皮膚科に回してもらう。皮膚科で調べてもらうともうカビは見当たらなかった。しかし「ステロイドの長期服用者はカビが付きやすいので、その時点ではいたのかもしれませんね。」と言われた。

結局内服のプレドニンの量は増やさずに、外用のステロイドを強いものに変えて様子をみることになった。そしてヒルドイドのクリームがべっとりして塗りにくいので夏用のローションに変えてもらう。

また10日ほどして再受診ということになった。今朝みると少し改善された模様。まったく皮膚のケアは難しい。男子は女子と違って顔に何か塗るという習慣がなく、抵抗感が強い上、めんどくさくて塗り忘れることもままある。

血液データは働き始める前後で取り立てて心配するような変化はない。皮膚症状が出ているので当然だが、プレドニンやネオーラルは減らせないので現状維持。なかなか免疫抑制剤とは縁が切れない。

もちろんそれ以外にも心臓、胃、抗真菌、抗ウイルスなどなど、たくさんの薬とも仲良しのままだ。まだまだ赤ちゃんの免疫力なのでたくさんの薬に守ってもらうしかない。

今回は健康保険症が切り替えの最中で、いったん全額負担で支払わざるを得なかった。あとで戻ってくるらしいが、ちょっとギョッとするほど高かった。息子は慌てて預金を引き出しに行った。

今更ながらに日本の健康保険制度と高額療養費制度のありがたさを噛みしめる。

復職にあたり体力に不安があったので短時間勤務にしてもらった。すると今までの社会保険は使えなくなる。そこで①社会保険の任意継続(全額自己負担)②国民健康保険への切り替え③親の扶養家族になる のいずれかを選択しなければ無保険になり10割負担になる。

あまり深く考えずにどうせ長時間勤務になれば今までの健康保険に戻るから任意継続しておこうと申請したら、これまた高額の保険料が提示されてきた。

驚いて病院のソーシャルワーカーの方に相談すると、詳しく仕組みと窓口を教えて下さって、ようやく保険料に相当の差があることが判明。あわてて②か③を検討することにした次第である。

特に前年度がほとんど無収入なので②でも③でも①よりは格安になるらしい。そんな訳で遅ればせながら手続きのやり直しを...今回は間に合わず全額負担なり(T_T)

病院とは長いお付き合いだが初めてソーシャルワーカーに相談した。皆さんも疑問があったらネットで調べるのもいいけど専門家に聞くのが早くて正確よ。ちょうど待ち時間に聞けて時間も節約(*^^)v

初発の時は学生だったので当然親の扶養になっており、病気の前後で手続き上の変更は全く不要だったが、今回は煩雑だった。

厚生年金の方も一時的に国民年金になり切り替え手続きをして自分で払い込まなくてはならない。

健康で働き続けていれば知らなかったことがいっぱい。自分の身は自分で守らなくては...勉強になります。それにしても親子でのん気すぎ~(反省)

退院48週目のつづき2014年08月02日 17時37分11秒

昨日ブログを更新した途端、同じ患者仲間の方からメールを頂きました。

闘病に絡むお金の問題について親身でわかりやすいアドバイスを下さったので、本人の了解を得てご紹介します。

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blog読みました。健康保険の件ですが…もうご存知かとは思いますが、たぶん扶養に入れるのではないかなと思います。そうなると国民年金だけの負担になりますね。

もし入れない場合は、社保の任意継続はこれまでの自己負担の二倍の掛け金になりますが、確か二年間継続出来るから、翌年の収入も概算してみて、国保に連絡して掛け金を計算してもらってからトータルで考えた方が良いです。国保は少し収入が増えるとめちゃくちゃ掛け金高額になります。

ただでさえ医療費がかかるなか、合法的に節約出来るならそれにこしたことないですよね。ぜひ皆さんに情報提供してください。

追伸

社保の任意継続はやはり二年間でした。掛け金が二倍になるのは会社が半分負担してくれていた分を自分で負担するからだそうです。

国保と二年間の金額を概算してみるのが良いですね。場合によっては扶養にはいれたり半額以下になることもあります。

注意点は任意継続は退職またははずれた日から20日以内に手続きしないといけないのと、一度やめたら戻れないことです。

あとご家族が加入している保険が何かによっても総額が変わるから、他の人の情報を鵜呑みにしないで必ず両方計算してもらうことをおすすめします。

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実はこのアドバイスをもらう前に区役所の国民健康保険課を訪ね、試算をしてもらっていました。結果は社会保険の任意継続の2ヶ月分が国民健康保険の9ヶ月分くらいに相当したので、国保に軍配が上がりました。

しかし、これは昨年がほとんど無収入(傷病手当金は除外)だった為に安い訳です。今年はどうかというと、やはり短時間勤務のパートになったのでおそらくそれほど大きく保険料が増えることはなさそうです。

さらに親の社会保険の扶養家族になるプランも昨年の年収から言えばクリア出来そうです。

息子の場合、体力がついて長時間パートになると以前のように社会保険と厚生年金に戻るそうですが、それがいつになるのやら、とにかくやってみなければ分かりません。身体と相談しながらぼちぼちです。

そんな訳で個人個人ケースが異なるでしょうが、比較検討は大切です。適切なアドバイスありがとうございました。

厚労省のHPに、がんと就労「働くがん患者と家族に向けた包括的就業支援システムの構築に関する研究」 http://first.cancer-work.jp/ があります。

がんと仕事のQ&Aをクリックすると各種支援ツールに飛びます。
http://cancer-work.jp/tool/test_index.html

最終的には下記のページに飛ぶと色々な事例が紹介されていますので参考になさってください。
http://www.cancer-work.jp/tool/pdf/qaA4_2013.pdf

最後に、10割負担で払った診療費と薬代ですが、新しい保険証と領収書を病院&薬局の窓口に持っていけば差額を払い戻してくれるそうです。

月曜日からさっさと扶養家族の手続きを始めよう(汗)!

退院48週目(day411-day417)2014年08月09日 20時13分07秒

退院48週目、相変わらず無保険のまま(-.-)

必要な書類を揃えて勇んで社会保険事務所に行ったものの、あえなく撃沈。父親の扶養家族にはなれなかった。

理由は傷病手当金が収入に加算されるから...。非課税なんだけど収入にはなるらしい。だから130万円をオーバーしちゃったのよ。

また一から国民健康保険の手続きをしなくちゃ。それには会社から健康保険資格喪失証明書を出してもらわなくちゃならないんだけど、それがまだ到着しない。

今週は外来がなかったが、来週以降もしばらくは全額支払いの日々が続きそう。

皮膚の状態はステロイドの外用薬で落ち着いている。勤務には支障なし。だいぶこの生活にも慣れてきたようだ。

今日は息子も一緒にお墓まいりに行った。台風の影響で風が強くて涼しかった。今年の夏はあまり夏らしくないな~身体は楽でいいけど。

お盆は家族の休みが合わず全員集合という訳にはいかないが、それぞれが元気で暮らしているのは幸せなこと。フツーの生活が一番ありがたいとしみじみ思う。

退院49週目(day418-day424)2014年08月17日 09時44分13秒

退院49週目、引き続き無保険状態。

血液内科の受診はない週だったが、皮膚科の受診が入っていた。健康保険資格喪失証明書がやっと届いたものの、区役所に行く時間がなく未だに全額支払いである。

でもね、皮膚科って全額払ってもこのお値段?お安いっ!考えてみたらそれはそうかも、開業している友達も皮膚科は数こなしてナンボの世界よって言ってたし...。にもかかわらず、いつも丁寧な診察、皮膚科の先生ありがとう。

皮膚の状態は根本的な原因がGVHDにあるため、外用薬には限りがあり、結局出たらステロイドを塗る、引いたらヒルドイドのみの繰り返しである。

復職してからなんとなく皮膚の状態はよくない。特に息子は顔と首のあたりだから目立つ。周りの人はどう思っているのかな?説明が面倒くさいので何にも言ってないみたい。ま、気持ちはわかる。

1ヶ月経過したので勤務時間を延長するか聞かれたらしいが、まだ無理のようで短時間のままにしてもらった。家にいる時間は大抵横になっていて遊びに出かけたりも出来ないのだから無理もない。

しかし変化もある。体重は増えないが、脚の筋肉が硬くなってきた。復職以前はふにゃふにゃだったが、一日5時間立ちっぱなしなので鍛えられたのだ。自然とリハビリになっているのかも。

お盆に次男が帰ってきて恒例の酒盛り&麻雀。長男の快復ぶりに驚いていた。たまに会うからわかりやすいのだろう。お正月の時はステロイドゼロで何にも食べられなかったし、まだいかにも病人だった。

毎日みてる人間には気づきにくいかもしれないが、やはり薄紙を剥ぐように元気になっているんだ。倦まず弛まず自信を持ってサポートしていこう。

とにかく来週は早く国民健康保険の申請に行って、無保険を脱出しよう。じゃないと次回の血内の支払いがまたまた恐ろしいことに(>_<)

退院50週目(day425-day431)2014年08月23日 09時51分18秒

退院50週目、やっと国民健康保険に入れた!

外来のある週だったので、受診日の前に絶対手続きするよう息子をせかして区役所に申請に行かせた。

健康保険資格喪失証明書と免許証を提示すると、ものの数分で加入できたが、取りあえずゲット出来たのは仮保険証。本物は数日後に郵送されて来るらしい。

仮でも何でも効力は同じなので、早速今回からは3割負担で使用できた。そして前回全額で支払った分も7割が戻ってきた\(^o^)/

しかし高額療養費限度額認定証については、保険が変わることにより振りだしに戻るのでハードルが上がり、おそらく外来のみでは限度額を超えることはありえないので申請しないことにした。

考えたくはないが、万一また入院する羽目になった時点で改めて手続きしよう。これでひとまず無保険状態からは脱出!

ここのところ皮膚症状のコントロールもうまくいっているし、血液データも問題はなかった。そこでステロイドの減量についての話が出たが、結局現状維持の5㎎となった。ネオーラルも変わらず100㎎のまま。

プレドニンを1㎎減らしてもよいが、GVHDが悪化した場合はまた1㎎増やすのではなく、いきなり元の10㎎に戻ってしまうらしい。そしてまた1㎎ずつの減量のやり直し。だから減量には慎重にならざるを得ないのだ。

プレドニン長期服用で骨粗鬆のリスクが上がるのも心配だが、そのボーダーが5~7.5㎎と言われているらしい。現在ビスホスホネートは服用していないが、長引くなら予防的に服用した方がいいそうだ。うちは下限の5㎎なので悩ましいところ。

ビスホスホネートにも副作用がない訳でもないので主治医も判断がつかない状況で、結局次回までの宿題となった。

このまま仕事を続けていても順調なら、来月からプレドニンを4㎎、再来月から3㎎へと減らす計画なので、それならビスホスホネートは不要かな?と思っている。

息子はもちろん薬が増えるのには反対である。そりゃ誰でも薬は減って欲しい。予防接種も打てないし、早く免疫抑制剤とサヨナラできる日が来て欲しいなぁ。

退院51週目(day432-day438)2014年08月31日 09時28分37秒

退院51週目、「傷病手当金の満了予告について」が送られてきた。

健康保険組合から上記の通知がきた。9月末で至急期限が切れますってお知らせである。

まあ、復職してからは該当しなくなったので、正確には7月までしか申請していなかったのだが、1年3ヶ月の間、これのおかげで本当に助かった。

息子はここから自分で治療代を払うことができ、精神的にはとても楽だったと思う。私たちは息子が医療費を自分で払ったことで経済的に助かり、他のサポートにお金を回すことが出来た。

この文書の備考欄に参考法律が記してあった。

健康保険法第99条2 傷病手当金の支給期間は、同一の疾病又は負傷およびこれにより発した疾病に関しては、その至急を始めた日から起算して1年6月を超えないものとする。

これがソーシャルワーカーの話していたことだったのね、と納得。っていうか納得はできないけど(意味不明)

考えたくはないけど再発したらもう申請できないんだもんね。なんか健康保険組合によって違うということも聞いたけど、くわしく調べる気がしない。再発しそうな気がして...そういう事態になったらまた考えよう。

今週は外来もなく、穏やかに過ぎた。ただ、皮膚が調子悪くなったらステロイドを塗るというだけ。これはもうルーティンワーク。

今夏、福岡は晴れた日が数えるほどしかなく例年より涼しかった。子どもたちにとってはつまらない夏休みだったかもしれないが、復職したばかりの息子にとってはラッキーだったと思う。

大きく体調を崩すことなく、職場に馴染んでいっているように見える。昨日の定例会でも、社会復帰の先輩たちから「患者はそれぞれだから決して無理をせず自分のペースで。」とアドバイスされた。

固形がんのサバイバーとは違い、血液疾患患者は外見はフツーなので、職場でなかなか辛さがわかってもらえないという声も多く聞く。今のところパート勤務だからかそこまで厳しい扱いは受けず、むしろ人間関係は悪くないらしい。

これまたラッキー!病気も自分の努力だけではどうしようもない部分がある。周りの人に感謝して、小さなラッキーをひとつずつ積み重ねて、どうか自分らしく生きて行って欲しい。病気の前とは人生は大きく変わってしまったけれど、それもまた自分らしさとして。

昨日の定例会のことは次回で詳しく。

定例会が開かれました!2014年08月31日 10時46分25秒

8月30日(土)浜の町病院3階会議室2・3において定例会が開かれました。

この日は福岡は珍しく晴れ。夏休み最後の週末で皆さん予定もいろいろおありだったでしょうが、30名ほどの参加がありました。

まず自己紹介から始まり、今回は患者のNさんの体験発表がありました。Nさんの病歴などから特定されるのは本意ではないので詳しくは書けませんが移植は受けられています。

むしろ移植そのものよりその後の社会復帰の問題で赤裸々な体験談をお話しいただき、発表までには色々な葛藤があっただろうに、その勇気に感服しました。

Nさんとは何度もお会いしていますが、今まで私のNさんに対する印象はおとなしく控えめで、あまり自分のことを話さず人の話を聞いているイメージがあったので、堂々と体験を話す姿はいい意味で少し吹っ切れたのかなとも思いました。

Nさん自身もこのような機会に大勢の前で話せてよかったと仰っていました。司会の方もNさんを見る度に元気になっている気がすると言ってましたが、表情が明るいとこんなにも元気に見えるのかと、私も思いました。

人に話したことですぐに何が解決するわけではないのですが、自分の中で整理して考えられるようになるという点は患者会の良いところではないでしょうか。

Nさんの発表をもとに、衛藤先生を交えてフリートークが始まりました。Nさんが答えたり先生が答えたり経験のある先輩患者が答えたりと結構広がりのあるトークになりました。

休憩中に質問用紙を集め、それに衛藤先生が回答。それもちょっとだいぶ深刻な内容なのでここでは詳しくは触れません。

その後、疾患別に分かれての交流会では必ず全員にひとこと以上は喋ってもらおうと5~6人の小さなグループになってもらいました。

私は家族のグループに入ったのですが、先ほど質問された方もいらして、詳しくまた状況を話されました。とくに何かアドバイスをしなくても繰り返し話されることで自分なりの答えを見つけていかれるのです。そして彼女もやはり話せてよかったといって帰られたのでほっとしました。

皆さんが帰られた後、スタッフ同士でグループの話し合いの結果を報告し合いました。どのグループも全員が話されたとのことで、やはりこの規模のグループ分けが話しやすいとの結論に至りました。

私自身久しぶりの定例会でしたが、やはりリボンの会の活動の原点は定例会にあると実感しました。1年前の定例会はちょうど息子の退院の日と重なっていたため出られませんでした。出ても人の話に耳を傾ける余裕がなかったでしょう。

1年経ち、移植後の療養生活もだいぶ落ち着いてきました。もう卒業かな?と思う気持ちのある一方、こんな私でも何かお役に立てるうちはスタッフとして関わっていくべきなのかと逡巡しています。

20周年記念事業実行委員会が開かれました2014年08月31日 13時17分32秒

昨日定例会の前に朝から集まって実行委員会が開かれました。

記念講演会は2部構成になっていて、1部が先生方の医療講演、2部が患者・家族のテーブルディスカッションになっています。

今回は実際の現場を見て、講演会の内容や段取りの詳細を詰めていったのですが、今までやりなれた古い病院の講堂とは勝手が違い、1つ1つ確認していく作業が必要です。

まず今度の講堂には前に壇がないのです。これでは演者席で立って発表するときはいいのですが、座って患者さん同士のテーブルディスカッションの時には、顔も見えません。

そこで壇をレンタルすることも考えたのですが、予算的にかなり厳しいものがあるので、何とかカメラで背後のスクリーンに顔を映し出せないかということで検討しています。

これから進行表を作って、さらに細かい打ち合わせをしていかねばなりません。あと何回みんなで集まれるか...?

講演の方は演目だけを決めて内容は先生方にお任せなので楽なのですが、せっかくいい講演をしてくださる先生方に失礼のないようスムーズな進行を心がけたいと思っています。

テーブルディスカッションは患者や家族の方なので、こちらも事前に集まって入念な打ち合わせをせねばなりません。

マスコミへの広報活動も大切ですし...そうそうチラシやポスターの原案が決まりましたので印刷にかけ、もうしばらくしたら会報と共にお手元に配布する予定です。HPには出来次第UPします。

久しぶりにリボンの会が主催する医療講演会です。東京から虎の門病院の谷口先生もお招きするし、本当に患者さんにとって実のあるいいものにしたいです。

それにしても寄付だけで運営しているリボンの会ですので正直予算キビシイです。

お気持ちのある方よろしくお願いしま~す↓(決して強制ではありません)
http://www.ribbonnokai.org/cont7/main.html

そして会場を快く提供して頂ける浜の町病院にも感謝いたします。