九大の血液疾患医療講演会に行って来ました!2014年01月16日 09時39分30秒

1月13日の成人の日に九州大学医学部百年講堂で医療講演会がありました。

今回主催は九州大学病院 血液・腫瘍内科でしたので、何のお手伝いもせず、のんびり参加させて頂きました。息子も直前になって行く気になって付いて来ました。

対象が主に九大で治療を受けた患者さんということでしたので、一番後ろの隅っこで聞いていました。医療講演会の内容は基本的な事で息子にもわかりやすかったと思います。

演題は3つ。急性白血病(吉本五一先生)・多発性骨髄腫(亀崎健次郎先生)・悪性リンパ腫(加藤光次先生)でした。

休憩を挟んで、後半はラウンドテーブルディスカッションがありました。宮本敏浩先生が司会をされて、6人の異なる立場の方が前に座り、会場も巻き込んでの活発なやり取りがありました。

あまり堅苦しくなく、さながら同窓会といった雰囲気で今後も年1~2回のペースで続けていかれるそうです。

6人は患者2名、看護師2名、薬剤師、医師といった内訳で、患者の1人がリボンの会のメンバーCYさんでした。

テーマが移植後のQOLでしたのでまさしく息子が一番聞きたかったことなのでしょう。疲れも見せずに最後まで聞いていました。

11月に行った久留米大学の医療講演会で長藤先生が話されたように、移植によって助かる患者が増えて来たからこそ、その後のQOLをどうしたら高く保つことが出来るかは重要な課題です。

しかしながらまだどこの病院も手探りといった感じであまりシステムとして充分に機能していないのが現実です。

確かに看護師さんによる長期フォローアップ外来のようなものはあるにはあるのですが、九大でも利用されている患者さんはあまり多くないようです。存在自体があまり知られていないという指摘もありました。

そのシステム作りに患者さんの意見も反映させていきたいという医療者側の言葉もありました。患者会もそのお手伝いが出来るのではないかと思うのですが、難しい部分もありますね。

患者もまだ免疫抑制剤を服用していたり重篤なGVHDが出たりしているうちは頻繁に診察があり、医師に相談しやすい環境にあるのですが、もう診察が半年に1回などになった患者さんが血液以外の疾患や検査の為に行くべき中間的な病院が見当たらないという悩みも挙げられていました。

何故なら普通の開業医は既往歴を見ただけで断られることが多いのだそうです。そうかといって九大のような急性期の患者を診る病院には敷居が高くて行きにくい感じもします。

また移植患者は血管にダメージを受けているので成人病のリスクが健常者にくらべて10歳くらい早いと言われています。自主的に検診を受けてと言われながら、その実、受け皿となる病院がなかなか見つからないのが現状です。

そういえば息子も最近会社の健保から大腸検査(検便)のキットが送られてきました。おそらくひっかるだろうなと思いつつ送り返すと、案の定潜血(+)で要再検査でした。

受診日に主治医に相談すると現時点で内視鏡検査をすることの意味があまりないと言われ、頭の片隅に留めておくことになりました。まだ2週間に1度の受診があるうちはこのように相談しやすいので患者は悩まずに済みます。

これが簡単な予防接種や歯の治療などでも一般的な町医者ではものすごく怖がられて主治医の許可がないと何もしてもらえないことが多いらしいです。

命が助かって何年も経ってフツーに暮らしているにも関わらず、移植を受けたという事実を突き付けられる時はやり切れないと先輩患者さんも言われていました。悩みは尽きませんね。

食事面の注意も毎回取り上げられるテーマです。「先生、お寿司は?お刺身は?納豆は?」など細かくあげればきりがありませんが。免疫抑制剤が切れて慢性GVHDがないという大前提がクリア出来てたらいいという回答でした。

宮本先生曰く、怖いのは生魚より生肉とのこと。いわゆる腸炎ビブリオなどの食中毒の他に敗血症になった例があったそうです。

うちの息子はそんなリスクを冒してまで食べたいものは何一つ無いと言っております。まあ食欲がないってのもあるんですが...。

まだ免疫抑制剤も切れてませんが、私は大根おろしでも納豆でもキムチでも、大抵の物は加熱するか一度電子レンジでチンして食べさせています。生卵も退院指導で許可されたのでさっさとデビューしました。

幸いまだ退院後に再入院することなく暮らしています。移植後のQOLも本当に個人差があるので一概には言えません。体調をみて少しずつ少しずつです。

講演会の次の日息子は一日中爆睡しておりました。本人の中でバランスとっているんでしょうが、会社へ通えるには体力がまだまだ追いついてないことがわかりました。