明けましておめでとうございます2014年01月05日 11時28分49秒

退院18週目(day201-day207)は年を越しました。息子は2013年を生き抜いてくれました。また一日一日記録を延ばして、2014年もその次も...と願っています。

クリスマス頃にはだいぶ食べられるようになった息子ですが、お正月の料理は味覚障害のせいかあまり食べられず、体重も50㎏をうろうろしています。

やはり和食の繊細な味はわからないみたいで今はフレンチかイタリアンのような洋食系が口に合うらしいです。あとはお菓子みたいな甘い物が簡単に食べられるので常備しています。

しかし年末から、すごい食欲&酒量の弟たち2人が帰って来たので、とにかく私は料理を作りまくりました。彼らと比べると、本当に長男のか細さが際立ちます。

これでも長男は元気になった方だと思っていたのですが、健康な20代の若者と並んでみると、やっぱりまだまだ病人です。道は遠いけれどゆっくり歩いていくしかありません。

弟たちの帰省は単調な自宅療養の日々に刺激を与えてくれ、長男も楽しそうにしていました。我が家のお正月はとにかく家でゆっくり過ごします。飲んで食べて麻雀三昧です。

いつも最後には必ず浮いている渋い麻雀を打つ長男ですが、今年は体力不足か珍しく負けていました。ちゃっかり三男と私が(*^^)v

初詣は歩いて5分ほどの地元の神社のみ。人っ子ひとりいないので感染の心配もありません。年明けから穏やかな天気だったので皆で参りました。

こんな当たり前のお正月が迎えられたことに本当に感謝します。

明日からまた単調な生活に戻りますが、しばらくはこの楽しい気分の余韻で頑張っていけそうな気がします。

退院19週目(day208-day214)2014年01月12日 09時40分49秒

退院19週目は穏やかに過ぎた。

目覚ましく回復という訳でもないが、何となく良い方向に向かっているような気がする。

お正月の賑わいの後、日常の生活リズムが戻ってきた。今週は外来受診があった。

少し食欲も戻ってきたので、今回の血液検査には期待して行ったが、白血球は2700とまた下がってしまった(>_<) 好中球の割合は悪くない。

1ヶ月前に外部に出していたMRDの検査の結果が返ってきて陰性とのこと。つまり白血病細胞は見当たらなかった。これで採取時点での再発はないと考えられる。ひとまずホッとする。

では何が原因の血球低下なのか?ということで、免疫抑制剤以外にたくさん飲んでいる薬の影響を考えて少し整理することになった。

今回は7月の脳炎後ずっと飲み続けている抗てんかん薬を半量にしてみることにした。確かに副作用の欄に血球減少も書いてある(そんな薬って結構多いけど...)

これで発作が起こらなければ中止する予定。ネオーラルも順調に10㎎減って100㎎になった。

こうやって春に向かって少しずつ薬が減っていく。息子は嬉しそうだ。

嬉しいと言えばもうひとつ。息子の病気がきっかけで彼女が看護師になることを決意。そして学校に合格したというニュースが入ってきた。このところ話題にしないので別れたのかな?と心配していたがよかった\(^o^)/

仮に別れることになったとしても彼女には頑張っていい看護師さんになってもらいたい。もちろん末永く仲良くしてもらいたいのはヤマヤマだけど、親としては見守るしかできないし。

明日は九大で医療講演会があるので行ってみよう。息子は時期的に感染症がコワイので置いていこうと思ったが、移植後のQOLについてのディスカッションがあるので参加したいと言う。ま、いっか!

何か新しい情報があるといいな~、後日また報告します!

九大の血液疾患医療講演会に行って来ました!2014年01月16日 09時39分30秒

1月13日の成人の日に九州大学医学部百年講堂で医療講演会がありました。

今回主催は九州大学病院 血液・腫瘍内科でしたので、何のお手伝いもせず、のんびり参加させて頂きました。息子も直前になって行く気になって付いて来ました。

対象が主に九大で治療を受けた患者さんということでしたので、一番後ろの隅っこで聞いていました。医療講演会の内容は基本的な事で息子にもわかりやすかったと思います。

演題は3つ。急性白血病(吉本五一先生)・多発性骨髄腫(亀崎健次郎先生)・悪性リンパ腫(加藤光次先生)でした。

休憩を挟んで、後半はラウンドテーブルディスカッションがありました。宮本敏浩先生が司会をされて、6人の異なる立場の方が前に座り、会場も巻き込んでの活発なやり取りがありました。

あまり堅苦しくなく、さながら同窓会といった雰囲気で今後も年1~2回のペースで続けていかれるそうです。

6人は患者2名、看護師2名、薬剤師、医師といった内訳で、患者の1人がリボンの会のメンバーCYさんでした。

テーマが移植後のQOLでしたのでまさしく息子が一番聞きたかったことなのでしょう。疲れも見せずに最後まで聞いていました。

11月に行った久留米大学の医療講演会で長藤先生が話されたように、移植によって助かる患者が増えて来たからこそ、その後のQOLをどうしたら高く保つことが出来るかは重要な課題です。

しかしながらまだどこの病院も手探りといった感じであまりシステムとして充分に機能していないのが現実です。

確かに看護師さんによる長期フォローアップ外来のようなものはあるにはあるのですが、九大でも利用されている患者さんはあまり多くないようです。存在自体があまり知られていないという指摘もありました。

そのシステム作りに患者さんの意見も反映させていきたいという医療者側の言葉もありました。患者会もそのお手伝いが出来るのではないかと思うのですが、難しい部分もありますね。

患者もまだ免疫抑制剤を服用していたり重篤なGVHDが出たりしているうちは頻繁に診察があり、医師に相談しやすい環境にあるのですが、もう診察が半年に1回などになった患者さんが血液以外の疾患や検査の為に行くべき中間的な病院が見当たらないという悩みも挙げられていました。

何故なら普通の開業医は既往歴を見ただけで断られることが多いのだそうです。そうかといって九大のような急性期の患者を診る病院には敷居が高くて行きにくい感じもします。

また移植患者は血管にダメージを受けているので成人病のリスクが健常者にくらべて10歳くらい早いと言われています。自主的に検診を受けてと言われながら、その実、受け皿となる病院がなかなか見つからないのが現状です。

そういえば息子も最近会社の健保から大腸検査(検便)のキットが送られてきました。おそらくひっかるだろうなと思いつつ送り返すと、案の定潜血(+)で要再検査でした。

受診日に主治医に相談すると現時点で内視鏡検査をすることの意味があまりないと言われ、頭の片隅に留めておくことになりました。まだ2週間に1度の受診があるうちはこのように相談しやすいので患者は悩まずに済みます。

これが簡単な予防接種や歯の治療などでも一般的な町医者ではものすごく怖がられて主治医の許可がないと何もしてもらえないことが多いらしいです。

命が助かって何年も経ってフツーに暮らしているにも関わらず、移植を受けたという事実を突き付けられる時はやり切れないと先輩患者さんも言われていました。悩みは尽きませんね。

食事面の注意も毎回取り上げられるテーマです。「先生、お寿司は?お刺身は?納豆は?」など細かくあげればきりがありませんが。免疫抑制剤が切れて慢性GVHDがないという大前提がクリア出来てたらいいという回答でした。

宮本先生曰く、怖いのは生魚より生肉とのこと。いわゆる腸炎ビブリオなどの食中毒の他に敗血症になった例があったそうです。

うちの息子はそんなリスクを冒してまで食べたいものは何一つ無いと言っております。まあ食欲がないってのもあるんですが...。

まだ免疫抑制剤も切れてませんが、私は大根おろしでも納豆でもキムチでも、大抵の物は加熱するか一度電子レンジでチンして食べさせています。生卵も退院指導で許可されたのでさっさとデビューしました。

幸いまだ退院後に再入院することなく暮らしています。移植後のQOLも本当に個人差があるので一概には言えません。体調をみて少しずつ少しずつです。

講演会の次の日息子は一日中爆睡しておりました。本人の中でバランスとっているんでしょうが、会社へ通えるには体力がまだまだ追いついてないことがわかりました。

退院20週目(day215-day221)2014年01月18日 16時37分32秒

退院20週目も穏やかに過ぎた。

変化のない週だったが、世間を騒がせているノロウイルスの攻撃も受けず、寒波やインフルエンザからも逃れて、無事過ごしていることに感謝したい。

もともと外来の無い週だったが、九大の講演会に出かけた以外は本当にお籠りの生活。つまり自室、トイレ、風呂、ダイニングのどこかにいるってこと。

私ならストレスでどうにかなりそうだが、息子は気持ち良さそうに眠り、大して困った様子もない。あまり静かなので時々心配になり「生きてる~?」とのぞくと「生きてる~」とのんきな返事が返ってくる。

半分に減らした抗てんかん薬の影響は今のところあまり感じられない。この分だと次は中止になりそう。

今週、私は九大病院クローバー会の栄養指導の講習会へ行き、がん治療の副作用に対する食事の工夫について習ってきた。

レシピや栄養補助食品の紹介もありがたいが、がんと栄養補給に対する根本的な考え方を聞いて頭がスッキリした。

要旨は、「栄養補給でがん細胞が増大することはない。むしろ積極的な栄養補給が治療の奏効率をアップさせるし、高栄養が血球回復にも有効である。」といったところ。

講師自身もがんサバイバーの栄養士さんなのでとにかく話に説得力があった。高価な健康食品や代替医療に頼らなくても、普通の食品をきちんと食べることが免疫力の向上につながると言い切られたので安心した。

点滴なんかにそれほど栄養はない、口からきちんと食べることこそが回復への道だとも言われた。腸にはヒトの免疫細胞の60~70%が集まっているので、食べて排泄することが何より大切らしい。

なかなかすべての栄養素をバランスよく摂るのは無理なので、食べたい物を食べたい時に食べたいだけ食べるようにする。その上で不足する栄養素は栄養補助食品で補うという考え方だった。

早速試供品のコーンスープを飲ませてみる。これは亜鉛や鉄、アミノ酸(BCAA)、食物繊維などが強化してある。味もふつうのコーンスープと変わらないらしい。

今まで栄養補助食品はエンシュアのように美味しくないし薬のようで絶対無理!と言っていた息子もこれは気にならないみたい。他にも色々ネットで探してみよう!

あと中鎖脂肪酸(MCTオイル)も素早くエネルギーになるので調理に利用したい。オリーブオイルもよく使うが抗酸化作用があり良い。

食事量が増えてきたら補助食品も必要なくなるだろうが、まだ50㎏をウロウロしているうちはしばらくはお世話になってみようかな?

まだまだ知らないことがいっぱい、色々勉強になった一日だった。

退院21週目(day222-day228)2014年01月27日 17時26分33秒

退院21週目は良いことあり悪いことありのごちゃまぜ?!

今週は血液内科と循環器内科のW受診だった。(後に皮膚科も増えたが)

良いことは、白血球が3700に回復、その他の値も悪くはない。何故だかは不明だが、やはり抗てんかん薬の減量が効いているのかと思われ、今回からは中止となった。

やった~薬が1つ減った\(^o^)/

と思いきや、先週の終わりから皮膚のトラブルが続出。何となくアトピーみたいに全体にガサガサ、口角が切れ眼の周りが赤くなり、お股のあたりも痒くてたまらないらしい。

久しぶりに皮膚科も受診。検査してもらったがカビは出なかった。GVHDとも言い切れないが、外用薬(ステロイド含む)2種とアレジオンが処方された。飲み薬が1つ増え、プラスマイナス0である(-.-)

フケも大量に出るがこちらもカビ系ではないらしい。髪の毛はもうずいぶん伸びて例のくるくるカールになっている。帽子の必要などないのだが、フケ隠しに被らざるを得ない。

全身状態を見て、結局ネオーラルは100㎎の現状維持となった。ここまで順調に減らされてきたが、ひとやすみ。

心臓のエコー検査の結果は非常に良いとのことで、移植のダメージがそれほどなかったみたい。先生方が心毒性の強い抗がん剤を避けて前処置をしてくださったお陰か?安心した。

さすがに3つの科を回るとくたびれたが、大きな目でみると良い方向に進んでいる気がする。

変化はもうひとつ。日中起きている時間が増えたこと。TVやDVDを少しずつ見始めたので、リビングにも降りてくるようになった。昼寝をしない日もあるくらいである。

彼に頼んでいる唯一の家事(洗濯物たたみ)も言われなくとも済ませてあることが多くなった。体力が少しずつ付いてきたのを感じる。

体重は50㎏からちっとも増えないけどね~(^_^;)
ま、減ってないからいっか!のんびり焦らずいこう。