定例会のつづき ― 2013年04月28日 12時33分24秒
昨日の定例会で衛藤先生が会員からの質問に答える形でタイムリーな話題について講演をしてくださいました。
九大か九大出身か、ちらっと浜の町病院にも絡む研究者たちの研究成果だということで衛藤先生もちょっと嬉しそう(どや顔?)な感じでした。
難しいのでうまく伝えられるかどうかわかりませんが...
①白血病幹細胞の特異的な抗原TIM-3の同定
~九大第一内科~
http://www.1nai.med.kyushu-u.ac.jp/professional/blood03.php
白血病の治療では、化学療法によっていったんは寛解が得られても、残存する白血病幹細胞の再増殖によって、多くの場合再発を来します。
白血病治療成績の向上には、白血病幹細胞自身を根絶することが必要で、がん幹細胞を標的とした新規治療法の開発が求められています。
このためには、白血病幹細胞には高発現し、正常な造血幹細胞には発現していない、白血病幹細胞特異的表面抗原を同定する必要があります。
私達は、白血病幹細胞のみに高発現するTIM3を同定しました。このTIM3に対する抗体を作製し、ヒト急性骨髄性白血病を再構築した免疫不全マウスに投与すると、非常に効率よく白血病細胞のみが駆逐できることがわかりました。現在、臨床応用に向けて研究を進めています。
②リン酸化酵素HCKを阻害できる化合物「RK―20449」の特定
~理化学研究所統合生命科学研究センター石川文彦グループディレクターら~
http://www.riken.jp/pr/press/2013/20130418_1/
成人の血液のがんである急性骨髄性白血病(AML)の原因となる白血病幹細胞を死滅させる化合物を特定した。
ヒトの白血病を再現したマウスに同化合物を投与する実験で、白血病幹細胞がほぼすべて死滅することを確認した。再発を繰り返すタイプのAMLに有効な治療薬となる可能性があり、数年内に臨床研究の開始を目指す。
グループはこれまでの研究で、白血病幹細胞の生存や増殖に関連するリン酸化酵素「HCK」を見つけていた。今回、HCKに結合して活性化を阻害する化合物を数万種類の中から探索。その結果、わずかな投与量で効果的にHCKを阻害できる化合物「RK―20449」を特定した。
③がん幹細胞の撲滅による新しいがん治療法
~九州大学 生体防御医学研究所の中山 敬一 主幹教授ら~
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20130319/
がん細胞の根源であるがん幹細胞はほとんど増殖しない冬眠状態のため、抗がん剤が効かない。
冬眠の維持に必要なたんぱく質「Fbxw7」を無力化すると、がん幹細胞が眠りから覚めて、抗がん剤で死滅することを発見。これを「静止期追い出し療法」と命名。
白血病をはじめとする多くのがんの根本治療の実現に期待。
現在のところマウスのレベルですが、大ざっぱにいって臨床応用化までは4~5年はかかるそうです。
これらの発表は骨髄系(AMLやCML)の患者にとっては明るいニュースですが、リンパ系には関係ないそうです。(ちょっとがっかり↓)
でもどんな病気でも数年の単位で新しい治療法や治療薬が出てくるので、日々進歩する医学の恩恵に預かるのは、とにかく一日でも長く生き抜くことが大切だと思います。
衛藤先生も「医療は着実に進歩している。信じて待てば必ず道は開けます。」と締めくくっておられました。
九大か九大出身か、ちらっと浜の町病院にも絡む研究者たちの研究成果だということで衛藤先生もちょっと嬉しそう(どや顔?)な感じでした。
難しいのでうまく伝えられるかどうかわかりませんが...
①白血病幹細胞の特異的な抗原TIM-3の同定
~九大第一内科~
http://www.1nai.med.kyushu-u.ac.jp/professional/blood03.php
白血病の治療では、化学療法によっていったんは寛解が得られても、残存する白血病幹細胞の再増殖によって、多くの場合再発を来します。
白血病治療成績の向上には、白血病幹細胞自身を根絶することが必要で、がん幹細胞を標的とした新規治療法の開発が求められています。
このためには、白血病幹細胞には高発現し、正常な造血幹細胞には発現していない、白血病幹細胞特異的表面抗原を同定する必要があります。
私達は、白血病幹細胞のみに高発現するTIM3を同定しました。このTIM3に対する抗体を作製し、ヒト急性骨髄性白血病を再構築した免疫不全マウスに投与すると、非常に効率よく白血病細胞のみが駆逐できることがわかりました。現在、臨床応用に向けて研究を進めています。
②リン酸化酵素HCKを阻害できる化合物「RK―20449」の特定
~理化学研究所統合生命科学研究センター石川文彦グループディレクターら~
http://www.riken.jp/pr/press/2013/20130418_1/
成人の血液のがんである急性骨髄性白血病(AML)の原因となる白血病幹細胞を死滅させる化合物を特定した。
ヒトの白血病を再現したマウスに同化合物を投与する実験で、白血病幹細胞がほぼすべて死滅することを確認した。再発を繰り返すタイプのAMLに有効な治療薬となる可能性があり、数年内に臨床研究の開始を目指す。
グループはこれまでの研究で、白血病幹細胞の生存や増殖に関連するリン酸化酵素「HCK」を見つけていた。今回、HCKに結合して活性化を阻害する化合物を数万種類の中から探索。その結果、わずかな投与量で効果的にHCKを阻害できる化合物「RK―20449」を特定した。
③がん幹細胞の撲滅による新しいがん治療法
~九州大学 生体防御医学研究所の中山 敬一 主幹教授ら~
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20130319/
がん細胞の根源であるがん幹細胞はほとんど増殖しない冬眠状態のため、抗がん剤が効かない。
冬眠の維持に必要なたんぱく質「Fbxw7」を無力化すると、がん幹細胞が眠りから覚めて、抗がん剤で死滅することを発見。これを「静止期追い出し療法」と命名。
白血病をはじめとする多くのがんの根本治療の実現に期待。
現在のところマウスのレベルですが、大ざっぱにいって臨床応用化までは4~5年はかかるそうです。
これらの発表は骨髄系(AMLやCML)の患者にとっては明るいニュースですが、リンパ系には関係ないそうです。(ちょっとがっかり↓)
でもどんな病気でも数年の単位で新しい治療法や治療薬が出てくるので、日々進歩する医学の恩恵に預かるのは、とにかく一日でも長く生き抜くことが大切だと思います。
衛藤先生も「医療は着実に進歩している。信じて待てば必ず道は開けます。」と締めくくっておられました。
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