定例会が開かれました! ― 2013年04月28日 10時48分18秒
GW初日の昨日、浜の町病院の別館5F研修講堂にて定例会が開かれました。晴天に恵まれお出かけ日和でしたが、新旧メンバー合わせて28名の参加がありました。
私としてはこんなに行きたくない定例会はありませんでした。息子の再発のことを自己紹介で言わなければならないからでした。こんなにつらい事を淡々と報告できるか自信がありませんでした。
スタッフでなければ感情のままにぶちまけることも出来るでしょう。患者会のいいところはそういうところにあります。そういう一種の浄化作用が本人を落ち着かせ、自分で自分なりの答えを見つけて帰って行かれるからです。
いつもならグループミーティングに参加するのですが、自分に余裕がないせいか、新しく来られた方に積極的に話しかけることも出来ず移植経験者のTさんと長々話し込んでしまいました。
Tさんは病名も年齢も違いますが、移植までに色々な体験をして来られたので、ALLのことをそれほどご存じなくてもスムーズに話が出来ました。
感情的にならず自分の欲しい情報が得られましたので、本当にありがたかったです。初発の時もそうでしたが、正しい知識や情報が告知の後の混乱を鎮めてくれるのですから。
今回はある程度知識や情報を蓄えてきた中での再発告知でしたので、初発の時とは少し違う感情に支配されていました。
そんな中で仲間に声をかけてもらって一番嬉しかったのは「大変だったね。」という言葉でした。それ以上に有難かったのは無言の同調でしょうか?
逆に腹が立って殴ってやろうか(失礼!口が悪いね)と思ったのは、「運命だ」とか「受け入れなさい」とかいう言葉です。悪意はないのでしょうが、その人が逆の立場になった時言われたらどう思うのでしょうか?
これがリンパ腫の80過ぎの私の母なら完治など望みませんし、母自身も残りの人生は余生と割り切って好きなように楽しく暮らしています。
息子はまだ27歳です。目指しているところが違います。ALLの再発の場合、病気とうまく付き合っていくといった方法は選べません。移植というハイリスクハイリターンな治療しかないのです。
それにこれまでの9年間だって人生で一番のんきに楽しんで過ごせるはずの時間だったのに、思いもよらない苦労が次々襲ってきました。
ずっと運命に逆らってやってきたのに、もうとっくに病気を受け入れているのに、なおさら「運命」のひとことで片づけられたくはありませんでした。
自分もこれからまたも色んな患者さんや家族の方と出会うでしょうが、この経験を生かして接して行こうと思います。
ブログに息子の再発を載せるにあたり、ものすごく逡巡したことを患者さんであるSさんに話したら、「それは絶対そうした方がいい。患者はそれを望んでいるのよ。」と強く言ってもらえたので、ちょっと安心しました。
肝腎の衛藤先生のお話は長くなるので、次回に載せます。
みなさん、よいGWをお過ごしください(^O^)/
私としてはこんなに行きたくない定例会はありませんでした。息子の再発のことを自己紹介で言わなければならないからでした。こんなにつらい事を淡々と報告できるか自信がありませんでした。
スタッフでなければ感情のままにぶちまけることも出来るでしょう。患者会のいいところはそういうところにあります。そういう一種の浄化作用が本人を落ち着かせ、自分で自分なりの答えを見つけて帰って行かれるからです。
いつもならグループミーティングに参加するのですが、自分に余裕がないせいか、新しく来られた方に積極的に話しかけることも出来ず移植経験者のTさんと長々話し込んでしまいました。
Tさんは病名も年齢も違いますが、移植までに色々な体験をして来られたので、ALLのことをそれほどご存じなくてもスムーズに話が出来ました。
感情的にならず自分の欲しい情報が得られましたので、本当にありがたかったです。初発の時もそうでしたが、正しい知識や情報が告知の後の混乱を鎮めてくれるのですから。
今回はある程度知識や情報を蓄えてきた中での再発告知でしたので、初発の時とは少し違う感情に支配されていました。
そんな中で仲間に声をかけてもらって一番嬉しかったのは「大変だったね。」という言葉でした。それ以上に有難かったのは無言の同調でしょうか?
逆に腹が立って殴ってやろうか(失礼!口が悪いね)と思ったのは、「運命だ」とか「受け入れなさい」とかいう言葉です。悪意はないのでしょうが、その人が逆の立場になった時言われたらどう思うのでしょうか?
これがリンパ腫の80過ぎの私の母なら完治など望みませんし、母自身も残りの人生は余生と割り切って好きなように楽しく暮らしています。
息子はまだ27歳です。目指しているところが違います。ALLの再発の場合、病気とうまく付き合っていくといった方法は選べません。移植というハイリスクハイリターンな治療しかないのです。
それにこれまでの9年間だって人生で一番のんきに楽しんで過ごせるはずの時間だったのに、思いもよらない苦労が次々襲ってきました。
ずっと運命に逆らってやってきたのに、もうとっくに病気を受け入れているのに、なおさら「運命」のひとことで片づけられたくはありませんでした。
自分もこれからまたも色んな患者さんや家族の方と出会うでしょうが、この経験を生かして接して行こうと思います。
ブログに息子の再発を載せるにあたり、ものすごく逡巡したことを患者さんであるSさんに話したら、「それは絶対そうした方がいい。患者はそれを望んでいるのよ。」と強く言ってもらえたので、ちょっと安心しました。
肝腎の衛藤先生のお話は長くなるので、次回に載せます。
みなさん、よいGWをお過ごしください(^O^)/
定例会のつづき ― 2013年04月28日 12時33分24秒
昨日の定例会で衛藤先生が会員からの質問に答える形でタイムリーな話題について講演をしてくださいました。
九大か九大出身か、ちらっと浜の町病院にも絡む研究者たちの研究成果だということで衛藤先生もちょっと嬉しそう(どや顔?)な感じでした。
難しいのでうまく伝えられるかどうかわかりませんが...
①白血病幹細胞の特異的な抗原TIM-3の同定
~九大第一内科~
http://www.1nai.med.kyushu-u.ac.jp/professional/blood03.php
白血病の治療では、化学療法によっていったんは寛解が得られても、残存する白血病幹細胞の再増殖によって、多くの場合再発を来します。
白血病治療成績の向上には、白血病幹細胞自身を根絶することが必要で、がん幹細胞を標的とした新規治療法の開発が求められています。
このためには、白血病幹細胞には高発現し、正常な造血幹細胞には発現していない、白血病幹細胞特異的表面抗原を同定する必要があります。
私達は、白血病幹細胞のみに高発現するTIM3を同定しました。このTIM3に対する抗体を作製し、ヒト急性骨髄性白血病を再構築した免疫不全マウスに投与すると、非常に効率よく白血病細胞のみが駆逐できることがわかりました。現在、臨床応用に向けて研究を進めています。
②リン酸化酵素HCKを阻害できる化合物「RK―20449」の特定
~理化学研究所統合生命科学研究センター石川文彦グループディレクターら~
http://www.riken.jp/pr/press/2013/20130418_1/
成人の血液のがんである急性骨髄性白血病(AML)の原因となる白血病幹細胞を死滅させる化合物を特定した。
ヒトの白血病を再現したマウスに同化合物を投与する実験で、白血病幹細胞がほぼすべて死滅することを確認した。再発を繰り返すタイプのAMLに有効な治療薬となる可能性があり、数年内に臨床研究の開始を目指す。
グループはこれまでの研究で、白血病幹細胞の生存や増殖に関連するリン酸化酵素「HCK」を見つけていた。今回、HCKに結合して活性化を阻害する化合物を数万種類の中から探索。その結果、わずかな投与量で効果的にHCKを阻害できる化合物「RK―20449」を特定した。
③がん幹細胞の撲滅による新しいがん治療法
~九州大学 生体防御医学研究所の中山 敬一 主幹教授ら~
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20130319/
がん細胞の根源であるがん幹細胞はほとんど増殖しない冬眠状態のため、抗がん剤が効かない。
冬眠の維持に必要なたんぱく質「Fbxw7」を無力化すると、がん幹細胞が眠りから覚めて、抗がん剤で死滅することを発見。これを「静止期追い出し療法」と命名。
白血病をはじめとする多くのがんの根本治療の実現に期待。
現在のところマウスのレベルですが、大ざっぱにいって臨床応用化までは4~5年はかかるそうです。
これらの発表は骨髄系(AMLやCML)の患者にとっては明るいニュースですが、リンパ系には関係ないそうです。(ちょっとがっかり↓)
でもどんな病気でも数年の単位で新しい治療法や治療薬が出てくるので、日々進歩する医学の恩恵に預かるのは、とにかく一日でも長く生き抜くことが大切だと思います。
衛藤先生も「医療は着実に進歩している。信じて待てば必ず道は開けます。」と締めくくっておられました。
九大か九大出身か、ちらっと浜の町病院にも絡む研究者たちの研究成果だということで衛藤先生もちょっと嬉しそう(どや顔?)な感じでした。
難しいのでうまく伝えられるかどうかわかりませんが...
①白血病幹細胞の特異的な抗原TIM-3の同定
~九大第一内科~
http://www.1nai.med.kyushu-u.ac.jp/professional/blood03.php
白血病の治療では、化学療法によっていったんは寛解が得られても、残存する白血病幹細胞の再増殖によって、多くの場合再発を来します。
白血病治療成績の向上には、白血病幹細胞自身を根絶することが必要で、がん幹細胞を標的とした新規治療法の開発が求められています。
このためには、白血病幹細胞には高発現し、正常な造血幹細胞には発現していない、白血病幹細胞特異的表面抗原を同定する必要があります。
私達は、白血病幹細胞のみに高発現するTIM3を同定しました。このTIM3に対する抗体を作製し、ヒト急性骨髄性白血病を再構築した免疫不全マウスに投与すると、非常に効率よく白血病細胞のみが駆逐できることがわかりました。現在、臨床応用に向けて研究を進めています。
②リン酸化酵素HCKを阻害できる化合物「RK―20449」の特定
~理化学研究所統合生命科学研究センター石川文彦グループディレクターら~
http://www.riken.jp/pr/press/2013/20130418_1/
成人の血液のがんである急性骨髄性白血病(AML)の原因となる白血病幹細胞を死滅させる化合物を特定した。
ヒトの白血病を再現したマウスに同化合物を投与する実験で、白血病幹細胞がほぼすべて死滅することを確認した。再発を繰り返すタイプのAMLに有効な治療薬となる可能性があり、数年内に臨床研究の開始を目指す。
グループはこれまでの研究で、白血病幹細胞の生存や増殖に関連するリン酸化酵素「HCK」を見つけていた。今回、HCKに結合して活性化を阻害する化合物を数万種類の中から探索。その結果、わずかな投与量で効果的にHCKを阻害できる化合物「RK―20449」を特定した。
③がん幹細胞の撲滅による新しいがん治療法
~九州大学 生体防御医学研究所の中山 敬一 主幹教授ら~
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20130319/
がん細胞の根源であるがん幹細胞はほとんど増殖しない冬眠状態のため、抗がん剤が効かない。
冬眠の維持に必要なたんぱく質「Fbxw7」を無力化すると、がん幹細胞が眠りから覚めて、抗がん剤で死滅することを発見。これを「静止期追い出し療法」と命名。
白血病をはじめとする多くのがんの根本治療の実現に期待。
現在のところマウスのレベルですが、大ざっぱにいって臨床応用化までは4~5年はかかるそうです。
これらの発表は骨髄系(AMLやCML)の患者にとっては明るいニュースですが、リンパ系には関係ないそうです。(ちょっとがっかり↓)
でもどんな病気でも数年の単位で新しい治療法や治療薬が出てくるので、日々進歩する医学の恩恵に預かるのは、とにかく一日でも長く生き抜くことが大切だと思います。
衛藤先生も「医療は着実に進歩している。信じて待てば必ず道は開けます。」と締めくくっておられました。
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