全国協議会ニュースに思う2017年09月24日 16時19分03秒

7月のリボンの会の交流会に参加出来なかったのだが、会報が送られてきたので報告を読む。

同じ患者家族仲間のUさんの体験談が載っており、ああやっと気持ちの整理がついてみんなの前で話す事が出来たのだと思い感慨深かった。

うちの息子も今月は本来の誕生日(ファーストの方ね)だったので32歳になった。18歳の発病以来もう14年が経過したのかと思うと、こちらもまた感慨深い。

リボンの会報と共にいつも全国協議会ニュースが送られてくるのだが、今回は斜め読みではなくじっくりと読んだ記事があった。

2017年7月13日に日本癌治療学会が、妊孕性温存に関する診療ガイドラインを発表したというものであった。

「小児、思春期・若年がん患者の二位陽性温存に関する診療ガイドライン」を日本癌治療学会が発表したことに寄せて、大谷直子さんの寄稿があった。

長文なので直接の転載は控えるが興味のある方は協議会ニュースの302号と別冊をご覧いただきたい。
http://www.marrow.or.jp/active/news.html

うちの息子が発病した14年前はまず患者の生命が優先ということで抗がん剤治療により将来不妊になるという事は事前に知らされていなかった。当時は明確なガイドラインはなく病状と担当の医師の判断に委ねられていたと思う。

入院の翌々日からもう抗がん剤が始まっていたので、本人も家族も病気の事を受け止めるのに精いっぱいで、妊孕性という言葉すら知らずそこまで考えが至らなかった。

息子本人の生命が限りなく危険な時に孫の可能性まで考えが及ぶ親がいるだろうか?

半年の治療が終わり退院の説明があった時、本人のいないところで医師に男性不妊の可能性について尋ねると、おそらくは限りなく可能性は低いと言われ、病気の告知とは別の意味で目の前が真っ暗になったのを覚えている。

そのことを私は息子にはずっと告げられなかった。その時の医師には生命を救ってくれたことだけで充分に感謝していたし、保存の猶予もなかったと理解している。

しかし再発した4年前には世の中の状況が変化していたので、治療の前にまずは妊孕性の温存について尋ね、検査を受け保存することが出来た。

男性より難しい女性の場合でも今では受精卵のみならず未受精卵の保存が認められるようになった。

卵子保存・体外受精費用の助成に特化した「こうのとりマリーン基金」のキャッチコピーは「あしたも赤ちゃんもきっと来るから」だそうだ。

昔白血病は明日が来ないかもしれない病気だった。でも医学の進歩により明日が来る可能性は格段に高まった。でもその後の人生は...?赤ちゃんだって望めば来てほしいと思うのは贅沢なことなの?人間として当然の思いだろう。

今はまだ自分の生活を充実させるだけで精一杯の息子だが、来年移植後5年を迎えたらそろそろこの病気の呪縛から逃れて、パートナー探しに力を入れてくれるのかな~?

秋は色々感慨深い季節である。

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