退院31週目(day292-day298)2014年04月05日 11時01分39秒

松国大山桜
退院31週目は桜三昧と野球観戦とちょこっとサッカー。

ステロイド10㎎の再開後、2、3日して息子が言った。「呼吸が楽にできる。」えっ、今まで息するのもしんどかったってこと?!それちょっと驚き。

そして皮膚も外用のステロイドなしできれいになってきた。フケも軽減したのでようやく帽子なし出歩けるようになった。

問題のゴハンだが、食欲全開みたいにはならなかった。でも少しずつ増えているし、回転ずしデビューも果たした。もちろん回ってるのはダメで注文してやってくる方だけど、10皿くらいは食べた\(^o^)/

でも体重はまた減って48.4㎏に(泣)なぜ~?

それから友達とホークス戦を見にヤフオクドームへ出かけた。もちろん再発後初めてなので心配したけど、マスクをしてたし、その後も何も起こらなくてひと安心。

今週は外来もなく天気も上々暖かかったので、桜を口実に色んな所へ連れ出した。

まずは糸島にある松国大山桜(http://cafe-seiyoukan.com/sakura.html)へ。

個人所有の裏山に樹齢150年の大きな野生の桜のある所。敷地内でお蕎麦屋さんとカフェを姉弟でされていて、夫とは何度か訪れているがいつも満開を見逃し残念な思いでいた。

今年はどうしても息子に見せたかったので出かけた。単に美しいだけではない、この樹のたくましさに魅かれるものがあったから。そしてお蕎麦も食べたかったから(笑)

やや盛りは過ぎていたが十分見応えがあった。平日で人も少なかったので、散り初めた一本桜の下で息子と二人で飽かずに眺めていた。至福のひととき。息子も何か桜の生命力を感じていたみたい。

次の日は夕方から小戸公園へ。桜はちょうど満開でそれは美しかった。海に面した公園の遊歩道をぐるっと回って歩いて行くとサッカー場に出た。よく少年サッカーに送って来た場所だ。

息子は3人ともサッカー少年だった。長男が一番上手だったが18歳で発病した後、大学では選手を諦めてスポーツクラブで小学生の指導をしていた。

4号球を持っていって息子とパスの練習をした。パスをしようと片足を上げるとふらついて、「オレ、体幹(の筋力が)がまるでダメになってる~。」と言った。ま、それでも私よりはずっとマシなんだけど(^_^;)

しばらくやると汗ばむほどだったが、息子はまったく汗が出ないと言う。放射線で汗腺がやられちゃったかな?

この日を境にお散歩は夜から夕方に変わった。春宵一刻値千金。たしかに景色を見ながらするお散歩の方が免疫力がアップしそう↗↗↗

あ、言い忘れです!

休職願が受理され、あと3ヶ月延長されました。こんな世知辛い時代に本当に有難い。会社に心から感謝します。何とかこの3ヶ月で体重を増やして体力回復し、社会復帰できるよう、できるサポートは可能な限りやってみます!

退院32週目(day299-day305)2014年04月13日 11時55分36秒

いいちこ日田蒸留所の大しだれ桜
退院32週目は名残りの桜とグルメツアー。

プレドニン(ステロイド)を再開して2週間たった。食欲はだいぶ回復し、49㎏台に戻り50㎏を超える日も近いのではないかと思う。

先週に引き続き、気晴らしに少し遠出をした。

まずは夫が行きたがっていた「いいちこ日田蒸留所の春の蔵開き」へ。広い敷地内のソメイヨシノの花のトンネルは散っていたが、1本だけある大しだれ桜が見事に満開になっていた。

もちろんいいちこの無料試飲もあり、蔵内の見学ツアーもあり、日田名物やきそばや地鶏の炭火焼やかしわご飯などのB級グルメの屋台もあり、ちょっとした大人のテーマパーク♪

息子がハンドルキーパーになってくれたので私たちは昼間からがんがん飲む。あ~いい気持ち。息子は生魚デビューに続き、今回屋台デビューも果たした。若干不安もあったけど目の前で焼いてくれていたので大丈夫だろうと思って解禁。

青空の下、こういうB級の味が懐かしかったのか食べること食べること!見ているこっちまで嬉しくなる。

この日は夕食も日田で。サッポロビール日田工場へ移動してジンギスカンを食す。冷凍ラムではなく生ラムがあったので、美味しいと言ってこれまたよく食べた。

私はラムは苦手だけど出来立ての生ビールが本当に美味しくて、これまたがんがん飲んだ。夫と来ると私がハンドルキーパーなので飲めない。積年の恨みを晴らすかのように今日は飲む。息子よありがとう!

福岡から1時間ほどで行ける天領日田は美しくて大好きな町。水がきれいなのでお酒が美味しい。機会があったら皆さんもどうぞ。

遠出で自信をつけたのか、翌々日は調子に乗って能古島(のこのしま)へ行く。渡船場から10分ほどで行ける博多湾に浮かぶ島で四季折々の花が美しい。

しかし息子の目的は花ではなく生魚。デビュー以来、生魚づいている。より新鮮な物を求めてここまでやってきた。港近くの一軒の食堂に入りお刺身丼と定食を注文して待っていると、大将が今から魚を上げてくると言って出かけた。ほどなくボールいっぱいの生きている魚を持ってきてさばき始めた。

これまた安くて美味しかった♪そんなこんなの連日の試みも息子はお腹を壊さずクリアした。こうやって少しずつ色んな物が食べられるようになっていくのかな?

長い冬のあとの春は本当にご褒美だ。今がまんしている皆さんday300あたりになるとこんなカンジですよ~。目安にして頑張ってくださいね(^O^)/

最後にいいニュース。

今週の外来は息子がひとりで出かけた。血液データが劇的に改善していた。やっぱりステロイドはコワイけど魔法の薬。

白血球5900、ヘモグロビン12.2、血小板13.6、と時系列グラフはぐーんとはね上がった。ちょっとまだ貧血気味だが、あとは正常値内にキターーー!これは息が楽に出来ると言った意味がわかる結果だ。

皮膚症状も落ち着き、外用薬も保湿程度でよくなったので皮膚科は次回から行かなくてよくなった。

大事をとってまだネオーラル100㎎は減らさないらしい。ステロイドで身体の状態が改善すれば次からは減らしていくのか。免疫抑制剤のコントロールは慎重に慎重に、先生のさじ加減にかかっている。

ネクサスのリンパ腫医療セミナーin福岡に行ってきました!2014年04月13日 14時32分32秒

4月12日(土)福岡大学病院メディカルホールで行われたネクサスのセミナーに行って来ました。

毎年1回この時期にグループ・ネクサス・ジャパンという悪性リンパ腫の全国規模の患者会が主催する福岡でのセミナーです。

私は白血病の息子を持つ母ですが、同時に悪性リンパ腫の母を持つ娘という立場でもあり、母のために新しい治療法の情報を求めて参加しています。

母はびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)で4年前、化学療法、放射線治療、外科手術という悪性リンパ腫のフルコースを辿りましたが、無事生還し今も寛解を保っています。

今のところDLBCLの予後は比較的良く、83歳という高齢ですが自立してひとり暮らしをしています。しかし、息子でも9年たって再発したので、再発の可能性はゼロではないといつも思っています。

患者である母はのんきな性格で病気は治療で治ったと思い込んでいるので、それはそれでとてもいいことだと思います。再発しないコツは再発という言葉すら忘れていることだと先輩患者さんから聞きました。

今回のセミナーで感じたのは血液疾患の分野は白血病であれ悪性リンパ腫であれ、本当に日々進歩しているのだという点です。

個別には書きませんが、昨年のセミナーで治験中だった新薬が今年はもう終わって申請中であるとか、ある病気の薬が別の病気に効果のあることがわかり保険適用なったとか、毎年新しい情報がもたらされます。

医学の分野は日進月歩ですが、医療の現場においては昔から変わらぬ悩みがあるということを、今回の鵜池先生(九州がんセンター)のお話で再認識しました。

それは医療者と患者・家族のコミュニケーションの問題です。これは古くて新しいテーマですね。患者会でも主治医とコミュニケーションが上手く取れない悩みはままあります。

患者の側からは、先生は忙しいのだから、要点を手短にメモして、必ずアポを取って、先生が無理なら看護師さんや心理士さんを通して、とかアドバイスしてきましたが、今回は全く逆の医療者の側からの歩み寄りでした。

CST(コミュニケーションスキルトレーニング)といって医療者が患者と向き合う時の表情・身ぶり・姿勢・声の調子などが言葉そのものより、影響が大きい為トレーニングが必要という報告でした。

そして意外に「沈黙」や「間」の使い方が重要だという点も分かってきたそうです。特に悪い情報、伝えにくい内容の時に間の取り方には効果があるとのことでした。

そして近年CSが治療効果に与える影響が学術的にも注目されてきたというのです。これは何も論文でなくても経験として患者は実感することがありますよね。

柔らかい言葉や表情で言われたら質問してもいいのかなって思うし、PCの画面ばかりみて患者の顔もみない先生なら聞きたい言葉も飲みこんでしまうでしょう。

患者は医師に命を預けるのですから、信頼関係を築けない医師に充分な説明もなく、また説明されてもわからない状態で過酷な治療に立ち向かうことは出来ません。

そこでがんセンターではわかりやすい言葉で書かれた意志決定シートを作成し、医師との面談に臨む前に読んでもらうようにしているそうです。

特に移植のような治療はあらゆる場面で生と死は表裏一体で、わずかなことでどちらへ転がるかわかりません。

移植が成功したら何がしたいか?ということと併せて、移植中最悪の事が起こったらどうしてもらいたいか?というアドバンス・ケア・プランニングが必要となってきます。

患者が治療を受けている途中、もし自分に意思決定能力がなくなっても、自分が語ったことや書き残したものから自分の意思を尊重して、最善の医療を選択してくれると思えるようなケアは、それまでに築いた信頼関係がないと出来ません。

このような話は医療講演会では初めて聞きました。鵜池先生のお人柄が垣間見えるような講演でした。

それにしても生命のかかったコミュニケーションってむずかしい。医療者にもいろんな方がいるし患者もまた然りですもんね。

退院33週目(day306-day312)2014年04月20日 08時39分26秒

退院33週目、ソフトジョギング始めました~!

なんか「冷やし中華始めました~!」みたいだね(^_^;)

今週からウォーキングに時々ジョギングを混ぜてゆる~く負荷をかけることにした。

信号の1つ分走って、次の信号までは歩くといった風にすると飽きない。しんどくなったらルールにこだわらず、歩きっぱなしの時もある。決して無理はしない。

私はジョギングですぐ息が上がりバカにされたが筋肉痛にはならなかった。息子は翌日あちこち筋肉痛になった(勝ったw)。特に大腿と上腕の方が痛くなったそうで、ウォーキングとは違う筋肉を使ってるみたい。効果が期待できそう♪

外来のない週だったので意識して外へ連れ立す。ちょうど福岡市博物館で藤城清治展をやっていたので、気晴らしに出かける。予想外に(失礼!)よくて、全部見るのに2時間近くもかかった。

私も足が疲れたが、息子はさらにくたびれたらしく、「たった2時間立ちっぱなしでこんなに疲れるなんて、職場だと一日中立ちっぱなしだからまだまだ復帰なんて考えられない。」とちょっと落ち込む。

そんな訳で冒頭のソフトジョギングへと続くのだが、最近はいいコースを見つけた。車で少し離れた西部運動公園まで行き、ここの周回コースを歩く。

1周が1200mくらいで大体いつも3周する。野球場やサッカー場、テニスコートもある大型の運動公園で、ドッグランのわんこを見るのも楽しい。大濠公園ほど小洒落てないが、近いし駐車場が無料だから許す。

ソメイヨシノは終わったが今は八重桜がきれいだ。そして木々の若葉の緑が美しい。やはり夕方の散歩は景色が見えるから楽しい。

散歩とステロイドのおかげか、体重はやっと50㎏に回復した。5月に友人の結婚式の2次会に行くと言うので、試しにスーツを出して着てみる。移植前よりまだ15㎏ほども痩せているので、スーツが笑えるほどぶかぶかで、ベルトの穴も2つ分ほど開けないと、ズボンがずり落ちてしまう。

新調しようかと思ったが、どのサイズで作ればいいのか皆目わからない。もったいないので、スーツはやめて移植後に買ったカジュアルなジャケットにタイだけして行かせることにした。

移植後の悩みは病状以外にもいろいろある。

退院34週目(day313-day319)2014年04月27日 09時57分17秒

退院34週目、「大泉くん」髪を切る。

退院後1度は髪を切ったが、その後の伸びが著しく大泉洋みたいになっていたので、最近は息子のことを「大泉くん」と呼んでいた。ちなみに顔は似てない(笑)

さすがに彼も伸び過ぎを自覚し、今週は外来の前日に髪を切りに行った。仕上がりはすっきりしたが何だかビミョー...中途半端にくるくるが残りセットしづらそうだ。でもフケは全くでなくなった。

初発の時は3回くらい切ったら元のような毛質に戻ったが今回はくるくるがもっときつい感じ。ま、生えて来ただけでも良かったよ~!贅沢はいいません(ToT)

昔昔の移植は、前処置がもっと強かったため、若い人でも髪が生えて来なかった人もいる。そんな人に命が助かっただけでもよし、なんて酷なことは言えない。その後の人生に大きく関わってくるからだ。

さらに小児のころだと治療の決断は親に委ねられるから、成長して子どもから「こんなことなら移植しなかった方がまし。」などと言われた日には親は悲しすぎる。それは死なせて欲しかったということなのだから。

うちは治療の方針や内容がわかる年齢になっての発病→再発→移植だったから、親としては重荷を一身に背負うことなく、本人と分かち合えたのでまだ救われた。

発病を聞かされた時、自分を責めない親はいないと思う。でもこの病気を正しく理解すれば、自分を責めることが何の役にも立たないことがわかるから、そこから親としての本当の意味でのサポートが始まる。

今週は外来だった。まず循環器内科でレントゲンと心電図の検査後診察があった。結果は良好で安心したが、アーチストは切ることができない。しかし一生服用という訳でもなく、将来的には飲まなくてよくなる可能性は残っているそうだ。明るい気持ちになる。

先生に先週から始めたソフトジョギングについて尋ねてみると、とても良いことだと褒められた。ただ苦しくなるまではやってはいけない、あくまでソフトにとのこと。

何でもウォーキングやジョギングで脚の筋肉を鍛えることで、血液を送るポンプとしての機能が増し、心臓の負担が軽くなるからだそうである。先生のお墨付きで一抹の不安も消え、これからは安心してジョグできる。

次に、血液内科へ行く。血液データは前回とあまり変わらずいい状態。そこで、免疫抑制剤(プレドニンとネオーラル)の減量について今後の方針を聞く。

プレドニンのお陰で食欲も戻り体重も50㎏を超えた。皮膚症状も少し改善したので、10㎎を9㎎に減らすことになった。やはり10㎎とはいえステロイドを長期に服用するには再発リスクや副作用が高まるからだ。

その代わりネオーラルは変わらず100㎎のまま。ネオーラルの方が長期服用のリスクが低いということらしい。このペースだと7月に復職する時にはどちらも切れていない状況になりそうだ。そもそも復職が大丈夫か?

いかんいかん!あれこれ考えても先のことはわからない。過去を悔やんでも仕方ない。今の最善を尽くすしかない。なるようになる!

毎日が休日の息子。とくにGWの予定はない。免疫力UPのために笑える映画「テルマエロマエⅡ」でも一緒に観に行こうかな~♪