今回もホッ! ― 2007年02月06日 23時27分03秒
今日は1ヶ月に1回の定期検診の日でした。あいにく所用で私は付いてはいかなかったのですが、息子から「異常なし」のメールが来てひと安心しました。
来月で発病して丸3年が経過します。抗がん剤の投与が終了してから1年が経ちました。
いつも何パーセントかの再発の影に怯えながらも、つらい記憶は少しずつ薄れてきました。息子自身も入院中の一番つらかった時期のことはあまりよく覚えていないそうです。
人間は忘れることが出来るから希望を持って前向きに生きていけるのかな?ありがたいことです。
とにかく主治医の先生からも3年以内の再発が一番多いと言われていたので、病気の方もひと区切りかなと思い、少し自分の事にも目を向けようと考えています。
息子も退院してすぐの時は歩くのもやっとという状態でしたが、半年の自宅療養を経て大学に復学しました。最初は通学だけでやっとかと思いましたが、サークルに入り大学祭の実行委員をやったりして青春を謳歌しています。
親の心配をよそに、さらに半年前からはひとり暮らしを始め、バイトもバンバン入れて毎日がフル回転です。発病したてのころはこんな日が来るとは思いもしませんでした。
この分だとうまく行けばカノジョも出来て結婚も出来るかも?就職も大丈夫かも?と夢はふくらみます。まあこれは今の心配ごとの裏返しなんですが...
発病後すぐはまず生きていて欲しいとそれだけを願っていたものですが、ずいぶん贅沢になったもんですね。
今、つらさの真っ只中にいる人も、一日一日を何とかやり過ごしていくうちにきっと春がやってきますよ。人生が今までと大きく変わってしまっても、また変わったなりに楽しみも見つかると信じています。
息子の次の目標は生きて5周年を迎えることです。途中いろいろ楽しみながらね!
来月で発病して丸3年が経過します。抗がん剤の投与が終了してから1年が経ちました。
いつも何パーセントかの再発の影に怯えながらも、つらい記憶は少しずつ薄れてきました。息子自身も入院中の一番つらかった時期のことはあまりよく覚えていないそうです。
人間は忘れることが出来るから希望を持って前向きに生きていけるのかな?ありがたいことです。
とにかく主治医の先生からも3年以内の再発が一番多いと言われていたので、病気の方もひと区切りかなと思い、少し自分の事にも目を向けようと考えています。
息子も退院してすぐの時は歩くのもやっとという状態でしたが、半年の自宅療養を経て大学に復学しました。最初は通学だけでやっとかと思いましたが、サークルに入り大学祭の実行委員をやったりして青春を謳歌しています。
親の心配をよそに、さらに半年前からはひとり暮らしを始め、バイトもバンバン入れて毎日がフル回転です。発病したてのころはこんな日が来るとは思いもしませんでした。
この分だとうまく行けばカノジョも出来て結婚も出来るかも?就職も大丈夫かも?と夢はふくらみます。まあこれは今の心配ごとの裏返しなんですが...
発病後すぐはまず生きていて欲しいとそれだけを願っていたものですが、ずいぶん贅沢になったもんですね。
今、つらさの真っ只中にいる人も、一日一日を何とかやり過ごしていくうちにきっと春がやってきますよ。人生が今までと大きく変わってしまっても、また変わったなりに楽しみも見つかると信じています。
息子の次の目標は生きて5周年を迎えることです。途中いろいろ楽しみながらね!
市民公開講座に行ってきました! ― 2007年02月18日 12時15分38秒
昨日は福岡国際会議場メインホールで第29回日本造血細胞移植学会の市民公開講座が行われました。HPやリボンの会の会報でお知らせしていましたが、寒い時期ではあるし、おまけに雨で参加者が少ないんじゃないかなぁと心配しながら行ってみると、案の定、少なかったのよ~(T_T)
内容はどこに出しても恥ずかしくない立派なものでした。移植患者とそれを支える様々な立場の方の実体験を踏まえた話は、聴く人に新しい知識と感動を、たくさんの励ましと勇気を与えてくれました。
質疑応答の時間に感想を述べられたある男性患者の方は、こんないい講演会をもっとたくさんの人に聴いてもらいたかったとおっしゃっていました。私も全く同感でした。
確かにPR不足は否めないし、いつも思うのがシステムが煩雑で、その日の体調によって出かけるかどうかを決めるという患者にとっては、予め予約して聴講券を発行してもらうなどというひと手間は、やっぱり尻込みしてしまう要因になっていると思います。
またリボンの会などの共催団体には予め一定の枠を下さると参加の呼びかけもスムーズに行くと思うのですが、いかがなものでしょうか?私は元気なものですから事前申し込みをしましたが、それでもリボンの会の会員というだけで通してもらえると助かるとは思います。そのあたりを代表の宮地さんにも事務局に掛け合ってもらったのですが、答えはノーでした。
システムの事はさておき、今回のプログラムですが2部に分かれており、第1部がパネルディスカッション・第2部が夏樹静子さんの講演でした。夏樹さんは自著「腰痛放浪記 椅子がこわい」を踏まえて、心の病気「心身症」についての体験談をお話になりました。
ユーモアを交えての語り口に時折笑いも湧きましたが、内容は原因不明の腰痛や全身の倦怠感に悩まされた3年間の壮絶な痛みとの闘いという深刻なものでした。一時は死も頭をよぎったというほどの他人には理解されない痛み、あらゆる医学的検査で他の病気の可能性を否定していって最後に残ったものは心因性のものでした。
夏樹さんは患者の気持ちもわかるし、作家という物事を客観的にみる眼もお持ちですので、心が体に与える影響の問題を、わかりやすく伝えて下さって、テーマに沿ったいい講演だったと思いました。
第1部は、造血幹細胞移植を支える立場の医師・看護師・院内学級担任といった3人の方々のお話でした。造血幹細胞移植とは耳慣れない言葉でしょうが、昔、骨髄移植と云われていた言葉が、今は骨髄・末梢血・臍帯血の3つの移植を含めた言い方として定着してきたようです。
中でも看護師の方からは浜の町病院で実践されている臨床心理士の取り組みについて発表があり、患者の心のケアの問題が取り上げてありました。心理士と看護師との密な連携によって一定の成果があがっており、患者だけでなく家族のケアにも役立っているとの事でした。
ふだん成人患者の立場からはあまり知り得ない院内学級の先生のお話も興味深く、そのきめ細かい心のケアと元の学校に帰っていくまでのフォローに感心しました。小児の患者にとって学校というところがどれほど大きな意味合いを持つのかを改めて気づかされました。
と同時に、うちの息子のように高校を卒業してすぐ入院をしたようなハイティーンの患者、成人でも小児でもないような微妙な年齢な患者へのケアというのは今なかなか頼っていく所がないので、今後リボンの会でも何とかして行きたいなと考えています。
最後に移植体験者の2人の話ですが、これには本当に会場中が感動したのではないでしょうか。2人とも小児白血病の患者で移植後数十年経っており、助かった命を大切に前向きに生きていらっしゃるのですが、中でも奇跡的に妊娠・出産を経験された女性の話には驚かされました。
ほとんど可能性がないといわれても、決して0パーセントということはないんだ、人間あきらめない気持ちが大切なんだとつくづく思いました。そして実際に生まれた4歳のお嬢さんを壇上に一緒に連れての講演でしたので、尚更説得力があり、その子のあどけない笑顔に涙がこぼれました。
講演後、感想を述べられた年配の医師とおぼしき人物の話がまたよかったんです。これはいつも自分が思っていることをうまく言ってくださったので拍手喝采でした。
その方の言葉を少し引用させて頂きます。
生き残った患者さんには2つのタイプがある。それは幸せな患者と不幸な患者である。何がそれを分けるのかというと、助かった命を大切に前向きに生きているか、再発に怯え前向きに生きていけないか、という点だ。これは発病の年齢に関係なくその人が成熟した人生観をもっているかどうかということである。
同様に患者を支える家族にも2種類ある。外に目を向けボランティア活動などをしている人と自分のうちの患者のことしか目に入らない人のどちらかである。
すなわち人に喜んでもらうということが(再発などの)恐怖を克服する最大のツールである。
印象に残った部分だけをピックアップしたので、前後の文脈を知らない人が聞いたら乱暴に聞こえるかも知れませんが、心に響くものがありましたので、誤解を恐れず載せたいと思います。
私がリボンの会に関わっているのも、自分ではボランティアをしているという意識はなく、まさしく息子が再発したらどうしようという不安が和らぐからなのでした。また自分が体験したもって行き場のない気持ちをとりあえず持ち込む先をインターネットを使って教えてあげたいという気持ちからでした。
前回コメントを下さったC・Yさんの言葉の中に「再発をしないための一番の方法は、再発ということすら忘れることだ。」とありましたが、これも今回のコレと通じるものがありますよね。
いい集まりでした。主催者の方もっと事前に宣伝してよね~お願いm(__)m
内容はどこに出しても恥ずかしくない立派なものでした。移植患者とそれを支える様々な立場の方の実体験を踏まえた話は、聴く人に新しい知識と感動を、たくさんの励ましと勇気を与えてくれました。
質疑応答の時間に感想を述べられたある男性患者の方は、こんないい講演会をもっとたくさんの人に聴いてもらいたかったとおっしゃっていました。私も全く同感でした。
確かにPR不足は否めないし、いつも思うのがシステムが煩雑で、その日の体調によって出かけるかどうかを決めるという患者にとっては、予め予約して聴講券を発行してもらうなどというひと手間は、やっぱり尻込みしてしまう要因になっていると思います。
またリボンの会などの共催団体には予め一定の枠を下さると参加の呼びかけもスムーズに行くと思うのですが、いかがなものでしょうか?私は元気なものですから事前申し込みをしましたが、それでもリボンの会の会員というだけで通してもらえると助かるとは思います。そのあたりを代表の宮地さんにも事務局に掛け合ってもらったのですが、答えはノーでした。
システムの事はさておき、今回のプログラムですが2部に分かれており、第1部がパネルディスカッション・第2部が夏樹静子さんの講演でした。夏樹さんは自著「腰痛放浪記 椅子がこわい」を踏まえて、心の病気「心身症」についての体験談をお話になりました。
ユーモアを交えての語り口に時折笑いも湧きましたが、内容は原因不明の腰痛や全身の倦怠感に悩まされた3年間の壮絶な痛みとの闘いという深刻なものでした。一時は死も頭をよぎったというほどの他人には理解されない痛み、あらゆる医学的検査で他の病気の可能性を否定していって最後に残ったものは心因性のものでした。
夏樹さんは患者の気持ちもわかるし、作家という物事を客観的にみる眼もお持ちですので、心が体に与える影響の問題を、わかりやすく伝えて下さって、テーマに沿ったいい講演だったと思いました。
第1部は、造血幹細胞移植を支える立場の医師・看護師・院内学級担任といった3人の方々のお話でした。造血幹細胞移植とは耳慣れない言葉でしょうが、昔、骨髄移植と云われていた言葉が、今は骨髄・末梢血・臍帯血の3つの移植を含めた言い方として定着してきたようです。
中でも看護師の方からは浜の町病院で実践されている臨床心理士の取り組みについて発表があり、患者の心のケアの問題が取り上げてありました。心理士と看護師との密な連携によって一定の成果があがっており、患者だけでなく家族のケアにも役立っているとの事でした。
ふだん成人患者の立場からはあまり知り得ない院内学級の先生のお話も興味深く、そのきめ細かい心のケアと元の学校に帰っていくまでのフォローに感心しました。小児の患者にとって学校というところがどれほど大きな意味合いを持つのかを改めて気づかされました。
と同時に、うちの息子のように高校を卒業してすぐ入院をしたようなハイティーンの患者、成人でも小児でもないような微妙な年齢な患者へのケアというのは今なかなか頼っていく所がないので、今後リボンの会でも何とかして行きたいなと考えています。
最後に移植体験者の2人の話ですが、これには本当に会場中が感動したのではないでしょうか。2人とも小児白血病の患者で移植後数十年経っており、助かった命を大切に前向きに生きていらっしゃるのですが、中でも奇跡的に妊娠・出産を経験された女性の話には驚かされました。
ほとんど可能性がないといわれても、決して0パーセントということはないんだ、人間あきらめない気持ちが大切なんだとつくづく思いました。そして実際に生まれた4歳のお嬢さんを壇上に一緒に連れての講演でしたので、尚更説得力があり、その子のあどけない笑顔に涙がこぼれました。
講演後、感想を述べられた年配の医師とおぼしき人物の話がまたよかったんです。これはいつも自分が思っていることをうまく言ってくださったので拍手喝采でした。
その方の言葉を少し引用させて頂きます。
生き残った患者さんには2つのタイプがある。それは幸せな患者と不幸な患者である。何がそれを分けるのかというと、助かった命を大切に前向きに生きているか、再発に怯え前向きに生きていけないか、という点だ。これは発病の年齢に関係なくその人が成熟した人生観をもっているかどうかということである。
同様に患者を支える家族にも2種類ある。外に目を向けボランティア活動などをしている人と自分のうちの患者のことしか目に入らない人のどちらかである。
すなわち人に喜んでもらうということが(再発などの)恐怖を克服する最大のツールである。
印象に残った部分だけをピックアップしたので、前後の文脈を知らない人が聞いたら乱暴に聞こえるかも知れませんが、心に響くものがありましたので、誤解を恐れず載せたいと思います。
私がリボンの会に関わっているのも、自分ではボランティアをしているという意識はなく、まさしく息子が再発したらどうしようという不安が和らぐからなのでした。また自分が体験したもって行き場のない気持ちをとりあえず持ち込む先をインターネットを使って教えてあげたいという気持ちからでした。
前回コメントを下さったC・Yさんの言葉の中に「再発をしないための一番の方法は、再発ということすら忘れることだ。」とありましたが、これも今回のコレと通じるものがありますよね。
いい集まりでした。主催者の方もっと事前に宣伝してよね~お願いm(__)m
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