6月定例会が開かれました ― 2007年06月03日 08時57分19秒
年明けからシンポジウムが続き、定例会の間隔が空いていましたが、昨日久しぶりに浜の町病院で開かれました。
今回は衛藤先生と谷川先生のお二人が参加してくださり、勉強会の色合いが濃いものになりました。また谷川先生のお知り合いの岩崎先生も前半部分に参加され、貴重なご意見を頂きました。
まず前半は谷川先生に「ピアカウンセリング」についてお話しになりました。リボンの会のような患者家族会では、共通の体験を語り合うことにより、お互いがお互いをカウンセリングしているようなものです。
ピアとは仲間という意味だそうで、立場が対等の関係である事が前提で、相談してくる相手の話をよく聞いてあげることと、自分の主観を押し付けないことが大切だそうです。
その際気をつけることは「相手とのほどよい距離感」ということなのですが、先生が患者さんをカウンセリングをする場合とは違って、よく似た体験を持つ者同士の場合ついつい感情移入が過多になってしまいがちです。
でもそれはそれで良いのだと思います。自分のことをわかってくれる人がいるということは、自己肯定感につながるからです。
もともと答えは相談者の中にあるのです。決めるのは患者さん本人なのですから。こちらは混乱している相手の話をよく聞き、解きほぐしてあげて、自己決定への道筋をつけるお手伝いをするだけです。
冷たいような気もしますが、自分で決めなければ、その後に続く辛い治療や厳しい事態に立ち向かっていくことができませんものね。なるほどと思いました。
後半の衛藤先生のお話は「移植後の予防接種」についてでした。近頃巷では大学生を中心に麻疹が流行していますので、大変タイムリーな話題でした。
皆さん移植後はかつて自分が持っていた免疫がなくなってしまうことをご存知でしたか?私は知りませんでした。まず病気になること自体が辛いのに、次に移植というまた大変な思いをして、さらにまた他の病気にたいする抗体もリセットされてしまうなんて、どこまでいじめる気なんだ~!という気持ちになってしまいますよね。
実際、移植後の予防接種の是非については意見の分かれるところで、まだガイドラインも決まっておらず、情報を提供するシステムも確立されていません。知らないで過ごしていらっしゃる移植後患者の方は多いのではないでしょうか?
心配な方はぜひご自分の主治医の先生に相談なさってみてください。現在のところ、病院の側からそういうフォローのある所は少ないそうです。他に優先すべき仕事があまりにも多くてそこまで手が回らないというのが正直なところなのでしょう。
参加者のおひとりが、やはり移植後水疱瘡にかかり2ヶ月の入院を余儀なくされたとの体験談も聞かせてくださいました。健康な人がかかるより相当ひどい状態になられたようです。
予防接種は何も移植後患者に限らず、健康な人にとってもリスクとベネフィットの両面があります。両者を天秤にかけて接種するかどうかを決めるのですが、本当のところは何が起こるかわからないので、医師としても消極的にならざるを得ないのだそうです。
迷っている方はまず抗体検査をしてください。わずかながら残っている例もあるそうです。また欧米のガイドラインでは、インフルエンザのように不活化されたワクチンならOKなど、打つ時期も含めて細かく分かれて規定してありますので、参考になさってみてください。
では抗がん剤などの化学療法のみの患者さんの場合はどうなのでしょう?衛藤先生いわく、「まず治療中の方はもちろん接種できないのですが、終わって寛解を保っている方は大丈夫でしょう。しかしおそらく抗体が残っているのではないでしょうか。しかし、リツキサンのような抗体に働きかける分子標的薬の場合はかなり落ちている可能性がありますよ。」とのことでした。
今回は心と体の両面から、それぞれの専門の先生に大変有意義なお話を頂き、またひとつ勉強になりました。この強力なサポーター陣のおかげで、リボンの会の定例会はさらに充実したものとなっています。お忙しい中本当に有難うございました。いつもとても感謝しています。
今回は衛藤先生と谷川先生のお二人が参加してくださり、勉強会の色合いが濃いものになりました。また谷川先生のお知り合いの岩崎先生も前半部分に参加され、貴重なご意見を頂きました。
まず前半は谷川先生に「ピアカウンセリング」についてお話しになりました。リボンの会のような患者家族会では、共通の体験を語り合うことにより、お互いがお互いをカウンセリングしているようなものです。
ピアとは仲間という意味だそうで、立場が対等の関係である事が前提で、相談してくる相手の話をよく聞いてあげることと、自分の主観を押し付けないことが大切だそうです。
その際気をつけることは「相手とのほどよい距離感」ということなのですが、先生が患者さんをカウンセリングをする場合とは違って、よく似た体験を持つ者同士の場合ついつい感情移入が過多になってしまいがちです。
でもそれはそれで良いのだと思います。自分のことをわかってくれる人がいるということは、自己肯定感につながるからです。
もともと答えは相談者の中にあるのです。決めるのは患者さん本人なのですから。こちらは混乱している相手の話をよく聞き、解きほぐしてあげて、自己決定への道筋をつけるお手伝いをするだけです。
冷たいような気もしますが、自分で決めなければ、その後に続く辛い治療や厳しい事態に立ち向かっていくことができませんものね。なるほどと思いました。
後半の衛藤先生のお話は「移植後の予防接種」についてでした。近頃巷では大学生を中心に麻疹が流行していますので、大変タイムリーな話題でした。
皆さん移植後はかつて自分が持っていた免疫がなくなってしまうことをご存知でしたか?私は知りませんでした。まず病気になること自体が辛いのに、次に移植というまた大変な思いをして、さらにまた他の病気にたいする抗体もリセットされてしまうなんて、どこまでいじめる気なんだ~!という気持ちになってしまいますよね。
実際、移植後の予防接種の是非については意見の分かれるところで、まだガイドラインも決まっておらず、情報を提供するシステムも確立されていません。知らないで過ごしていらっしゃる移植後患者の方は多いのではないでしょうか?
心配な方はぜひご自分の主治医の先生に相談なさってみてください。現在のところ、病院の側からそういうフォローのある所は少ないそうです。他に優先すべき仕事があまりにも多くてそこまで手が回らないというのが正直なところなのでしょう。
参加者のおひとりが、やはり移植後水疱瘡にかかり2ヶ月の入院を余儀なくされたとの体験談も聞かせてくださいました。健康な人がかかるより相当ひどい状態になられたようです。
予防接種は何も移植後患者に限らず、健康な人にとってもリスクとベネフィットの両面があります。両者を天秤にかけて接種するかどうかを決めるのですが、本当のところは何が起こるかわからないので、医師としても消極的にならざるを得ないのだそうです。
迷っている方はまず抗体検査をしてください。わずかながら残っている例もあるそうです。また欧米のガイドラインでは、インフルエンザのように不活化されたワクチンならOKなど、打つ時期も含めて細かく分かれて規定してありますので、参考になさってみてください。
では抗がん剤などの化学療法のみの患者さんの場合はどうなのでしょう?衛藤先生いわく、「まず治療中の方はもちろん接種できないのですが、終わって寛解を保っている方は大丈夫でしょう。しかしおそらく抗体が残っているのではないでしょうか。しかし、リツキサンのような抗体に働きかける分子標的薬の場合はかなり落ちている可能性がありますよ。」とのことでした。
今回は心と体の両面から、それぞれの専門の先生に大変有意義なお話を頂き、またひとつ勉強になりました。この強力なサポーター陣のおかげで、リボンの会の定例会はさらに充実したものとなっています。お忙しい中本当に有難うございました。いつもとても感謝しています。
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