リボンの会交流会へ行ってきました!2015年06月28日 11時13分06秒

昨日、浜の町病院でリボンの会の交流会(定例会改め)が開かれました。雨にも関わらず40名近くの参加があり、会議室を2つ繋げてもぎゅうぎゅう詰めです。

今回は体験発表が悪性リンパ腫の患者さんだという事を事前に会報でお知らせしていた為、リンパ腫の方の参加が多かったです。

簡単な自己紹介の後、体験発表がありました。悪性リンパ腫の方は自家移植が多いのですが、こちらは再発を繰り返され骨髄移植をされました。

もちろん移植の経験談も貴重だったのですが、途中うつになられた経験から色々アドバイスを頂き勉強になりました。

うつは程度の差こそあれ血液疾患患者の多くの方が経験されています。

うつの患者にとって一番大切なことは夜に眠ることだそうです。そのためには薬を適切に使うことも必要です。

夜眠らないでいるとろくな事は考えないそうでどんどん思考が負のスパイラル陥り、死にたくなるし、治療も受けたくなくなるそうです。

彼女はそんな時TVは逆効果でラジオを聴いていたといいます。特にNHK第一のラジオ深夜便のファンで自分以外にも200万のリスナーがいることで安心し、気持ちが落ち着いたそうです。眠れない夜のオススメです。

また家族や親しい人には心配かけるから弱音を吐けないので、第三者に聞いてもらうとよいという点で、精神科や心療内科の受診は必須だそうです。

他の患者さんからも聞いたのですが、血液内科医のドクターショッピングは決して薦めないが、精神科医に限っては出来るだけたくさんの医師と会って自分に合うドクターを見つけるのがオススメだそうです。

そして一番嫌な言葉は励まし、気合い、アドバイスで、特に信頼している人からの頑張ってコールほど辛いものはないと言われました。自分でも分かっていて、でもやれない事をダメ押しされるとどうしようもなく落ち込むそうです。

逆に嬉しいのは何気ない世間話で、うつでも人と会いたくない喋りたくない訳ではないので、取りとめもない話が気分転換になるそうです。

血液疾患の宣告を受けると誰でも自分が世界で一番不幸だと思い込みがちですが、世の中には色々な人がいて、他人の痛みや苦しみはなかなか表からはわからないものだと思います。

最近NHKの朝のニュースの締めくくりに、アナウンサーがひと言添えられるのにお気づきですか?

その中で彼女が好きなのは「今日も何かいい事がありますように!」で逆に嫌なのは「今日も一日張り切ってまいりましょう!」だそうです。

うつに限らず、長く闘病されている患者さんと接する時に参考になる例え話でなるほどと感心しました。

交流会は、その後質問用紙に衛藤先生が回答される形で対話形式のやりとりがあり、疾患別にグループに分かれての交流会がありました。

いつもながら交流会は活発な話し合いがあり、時間が足りな~いといった感じでした。帰るまでに一言は発言して帰ってもらいたい気持ちでいっぱいです。

運営スタッフとして嬉しいのは、最初家族がリボンの会とのかかわりを持ってくださり、その後患者さん本人が元気になって会に出てきてくださるパターンです。

今回は2組もそういう方がいらして心から良かったと思いました。苦しい時は支えてもらい、今度は自分が支える側へと、繰り返し回っていくのが患者会の素晴らしい点だと思います。

リボンの会の公式HPリニューアル!2015年05月27日 08時41分42秒

晴天続きでもう夏を思わせるこの頃ですがいかがお過ごしですか?

さて以前より告知していましたリボンの会のHPが新しくなりました。

新HPのアドレスは→http://ribonnokai.info/

トップページは可愛いほのぼのとした印象の仕上がりで

ご挨拶には宮地代表の顔写真もUPされていますよ。

今後ともご活用ください(^O^)/

元気隊がんサロン特別講座に行ってきました!2015年05月18日 19時50分44秒

がん・バッテン・元気隊ってご存知ですか?

福岡のがん患者団体を結ぶネットワークの名称で、波多江伸子さんという方が代表をされています。

私もきちんと説明できないので詳しくはこちらをご覧ください。
http://www.fcsc.jp/top_1.html

主な活動はピアサポーターの育成とがんサロンの開催です。
http://www.fcsc.jp/page1_salon.html

今回は定例のがんサロンではなく、特別講座でテーマが「がん患者が作るエンディングノート」でしたので興味があり昨日行って来ました。

私は白血病の息子の母なのですが、同時に悪性リンパ腫の母を持つ娘でもあるのです。

今回はむしろ母のために娘として聞いておきたい気持ちが大きく、参加しました。

現在84歳の母は5年前胃悪性リンパ腫にかかり、移植以外の治療のフルコース(抗がん剤・放射線・外科手術)を受け、8ヶ月の入院を経て自宅に戻りました。

この5年は再発なく過ごしましたが、年齢的にいっても自分の終焉のことを考えてもおかしくはありません。だから退院後すぐにエンディングノートを手渡し、希望を書き残してもらいたいと言いました。

母は色んなことにこだわりが強く、自分の意に染まない送り方はして欲しくないというタイプですので、すぐに書いてくれると思ったのですが、空白のままです。

最近が父(がん患者ではない)が生死の境をさまよった後、ふと訪れた静寂の時間になぜか意識がクリアになり、自分の最後はこうして欲しいとはっきりと口にしました。

家族が揃っていたので葬儀やお墓の話、気になっていることをみんなで話すことが出来ました。普段は認知症もあり意思の疎通の難しい父なのですが、この時は妙にはっきりと自分の気持ちが言えたのです。

話し終わるととても幸せな人生だった、何も心配ごとはないといい、私たちもいい時間を共有できた思いました。結局父はその後快復し退院することが出来たのですが...(笑)

皆がこのようにざっくばらんに話すことが出来ればいいのですが、そうもいかない人も多いでしょう。そのためにエンディングノートは良いツールになってくれると思います。

FPでがんサバイバーの講師の方は、法的拘束力はないにしても、家族の信頼関係が築かれていれば、とんでもない望みでない限り、遺志は尊重されると思うと仰ってました。

ただ、財産がいっぱいあって、人間関係がややこしそうなお家の方は公証役場で公正人による公正証書遺言を作成された方がいいとのことでした。

次に話された波多江先生のお話は、がん患者ならではの終末の考え方を本音で語られたので、ものすごく参考になりました。

母が再発したら、まずは治療を受けさせるが、どこでそれを止める決断をするのか、最後の場所はどこで迎えたいのか、など具体的に考えておくことは必要だと感じました。

がんは突然最期を迎える訳ではないので考える時間は十分あると先生は仰いました。延命治療の拒否や緩和ケアのことも、日ごろから家族に自分の意向を十分に根回ししておくことも大切だとも。

サンプルで頂いたエンディングノートを基に母とゆっくり話してみたいと思いました。

健康な普通の方が受講されたらちょっと引いてしまうようなシビアな内容でしたが、がんサバイバーならではアドバイスだからでしょうか?先生のお人柄でしょうか?私はまさしくこういう話が聞きたかったのだと素直に思いました。

運営委員会が開かれました!2015年03月29日 10時01分37秒

3月28日(土)浜の町病院会議室をお借りして運営委員会が開かれました。

今回はホームページと会報についての見直しのために広報委員会を立ち上げるという趣旨の集まりでした。

ホームページは20周年を機にリニューアルするという事で準備を進めています。これまでの手作り感満載のHPから一新し、プロに管理を任せるという形に変わるので、管理人も晴れて卒業できることになりました。

リボンの会のHPの立ち上げからほぼ10年間、管理人をしていましたが、ぼちぼち次の人が現れたら引き継いでもらいたいなぁと思っていました。

特にこの2年は息子の再発、移植があり、なかなか大変でしたが、ブログを読んでHPを訪れて下さる方もあり、その方々との交流が私を支えてくれていました。

広報委員会のメンバーも決まりましたので、これからはゆっくり準備をしていって夏ごろには新しいHPがお目見えする予定です。

もちろんリボンの会を辞める訳ではありませんので、これからも交流会(定例会)や講演会でお目にかかれると思います(^O^)/

このブログは新HPがスタートする時点でリンクを切り離し、タイトルを変えて個人的に存続する予定です。次々と新しく白血病(血液疾患)と宣告されて戸惑う患者家族の方々と、今後も思いを共有し続けて行きたいと思うからです。

運営委員会&定例会が開かれました!2015年02月08日 09時57分50秒

昨日、2015年初の定例会が浜の町病院の研修室で13時30分より開催され、約30名の方が参加されました。

それに先立ち運営委員会も開かれ、20周年事業の反省や懸案事項を話し合いました。

なかなか即決できない事の多い中、ひとつ決定したのが、定例会の名称変更です。名前のとおり定例化したいという要望は諸事情により叶えられなかったため、名称を実態に合わせて「交流会」とすることになりました。

今まで定例会の呼び方に???と思っていた方も多いのではないでしょうか?管理人が入会した当時からすでにこの名称は使われており、私も不思議に思っていました。

と言う訳で今後は会報やHPにも「交流会のお知らせ」となって掲載されます。中身は変わらないのでご安心を(^O^)/

さて今回の交流会(定例会)の体験発表はTさんでした。Tさんは成人T細胞白血病(ATL)の患者さんで骨髄バンクから移植をされました。

ATLは九州には多い白血病で、ウイルスに感染している母親から母乳を介して赤ちゃんの時感染し、50年近くの潜伏期間を経て発症します。白血病の中でも原因がウイルスと特定できる病気です。

しかしキャリアのまま人生を終え発症しない人も多く、発症率はキャリアのうち5%くらいだと言われています。

Tさんはキャリアの時代に自身がお姉さんのドナーにもなっておられ、発症してからは骨髄バンクから移植を受けと様々な経験をされました。

辛いことも多かったでしょうが、病気になってフツーの幸せをより深く感じるようになった事は良かったと言われていました。食べる物がこんなに美味しく、見る景色がこんなに美しく、家族との旅行がこんなに楽しいものかと、つくづく感じるようになった、とのことでした。

この体験発表をもとに色んな質問が寄せられ、衛藤先生や臨床心理士の辻(吉住)先生に答えて頂きました。

その後グループに分かれて、少人数で自分の気持ちを話したり人の話を聞いたりしながら交流をしました。最後に話し合われた内容を代表の方に簡単に話して頂き、全体の様子を知ることが出来ました。

管理人はもう何十回と定例会に参加して来ましたが、新しい患者家族の方がいない回はありません。新しい方が来られる限り、それを受け止める場は必要だと感じます。

衛藤先生も最後にそういった感想を仰ったので嬉しかったし、とても心強く思いました。

20周年記念医療講演会が無事終わりました!2014年11月23日 09時42分22秒

11月15日(土)はリボンの会20周年記念医療講演会が浜の町病院3階研修講堂で開催されました。当日は天候にも恵まれ、180名近くの参加者がありました。

半年前から告知し頑張ってきた甲斐があったと、運営スタッフ一同喜んでおります。ご協力頂いた先生方、メーカーの皆様、参加された皆様に心からお礼申し上げます。

そんなに盛会だったのにどうしてこんなに報告が遅いのかって?

それは管理人のPCが翌日に壊れてしまい、メーカーに修理に出していたからなんです(T_T)このPCはまだ新しく、壊れるなんて想像もしていなかったので、管理人は軽くパニックに...。

故障していたのは液晶パネルの部分で、中身には問題なくデータは全くそのまま初期化されずに戻ってきました。しかも保証期間内だったので無料でした。よかった~\(^o^)/

ここのところ忙しくて、バックアップを全く取っていなかったので一瞬青ざめましたよ、ホントに。皆さんもバックアップはこまめに取りましょう。

若者ならスマホからでも記事のアップは出来るのでしょうが、私にはとても長文は無理っ!大体こんな稚拙な文章でも、あっちを削りこっちを足しして、かなりの推敲を重ねているので時間がかかるのです。

話が講演会から逸れました、すみません<(_ _)>

講演会は2部形式で、1部が医師による講演、2部が患者・家族らのパネルディスカッションでした。

最初に、浜の町のイケメン(いらない情報?笑)中堅エース、齋藤統之先生が登場。「血液の病気について知ろう」と題して話して頂きました。

これは病気になって日の浅い患者さん対象で、話の内容も分かりやすくてよかったのですが、特に素晴らしかったのはパワーポイントによるお手製のスライドでした。

たくさんの講演会に行ってる管理人ですが、あんなの初めて見ました。先生方はお忙しいので、あれ?これどこかで見たスライドだなって思うこともしばしばですが、齋藤先生のはオリジナリティ満載でした。みんなレジュメが欲しいな~なんて言ってました。

講演の対象をどこに絞るかは悩ましい問題ですが、毎日毎日新しく告知を受ける患者さんはいる訳で、こういった基本を押さえた講演もやはり必要だと感じます。

次に、日本でもっとも有名な血液内科医のひとりで、心優しき薩摩隼人である虎の門病院の谷口修一先生の登場です。衛藤先生もプロフェッショナル~仕事の流儀~に出演されたと紹介されていました。故市川團十郎さんの主治医でもありました。

先生は虎の門病院に行かれる前は浜の町病院に在籍されていて、当時からリボンの会を支えて下さっていました。管理人が入会する前の話です(^_^;)

先生には「ここまで進んだ造血幹細胞移植」と題してお話し頂きました。細かい事はさておき、「今、移植が必要な患者にドナーが見つからないということはありえない。」と仰っていたのが印象的でした。

それほどドナーソースの選択肢が増え、移植の技術が進歩したからです。かつて骨髄バンクはとにかくドナーが足りない、増やせ増やせと頑張って来ました。もちろんたくさんのプールがある方がいいには決まっていますが、今やさい帯血移植の割合がそれをしのぐほどになっています。

さい帯血移植は体格の比較的小さい日本人に向いているので、日本で多く行われ技術が進歩してきました。虎の門病院で先頭を切って、この分野を開拓してきた先生の熱い思いがよく伝わりました。

参加者の感想にもありましたが、谷口先生という方は独特のオーラがあり、患者に安心感を与えるのだと思います。普通、患者にここまで腹をくくって物をいうことはなかなか出来ないことだと思います。

話の内容は初心者の患者さんにはちょっと難しかったかもわかりませんが、何かを感じて帰ってもらえたのではないかと思います。

休憩を挟み、第2部は「病気を乗り越えていくために~患者にできること、家族にできること~」と題したパネルディスカッションがありました。

患者3名、家族1名、アドバイザーとして衛藤先生、宮地代表、司会の7名で進めました。

これには管理人も初めて顔と名前を公表して家族の立場で話をさせてもらいました。18歳の初発時、私は病気が息子の将来にとって不利益になると考え、匿名で活動してきましたし、必要以上に世間に言うことはありませんでした。

昨年再発して会社に病気のことが知られ、また本人もフェイスブックでカミングアウトしたこともあり、少しずつ世間に向かって発信してゆく気持ちになりました。

とはいえ、病気は息子の個人情報であり、私の一存では決められないので、今回も息子にパネラーになってもよいかと尋ねましたら、快く了承しましたので出させて頂いたのです。

緊張してうまく思いを伝えられたかわかりませんが、自分の気持ちの整理のためにも参加してよかったと思います。

今回講演会の感想カードを作成しませんでしたので、参加者の生の声があまり聞こえてきません。このブログを読まれた参加者の方がいらしたら、コメントに感想を頂ければ嬉しいです。

副題が「~泣いて、笑って、寄りそって・・・ひとりじゃないよ~」だった今回の講演会、いかがだったでしょうか?自分は決してひとりじゃないという思いを胸に帰途につかれた方が一人でもいらっしゃれば幸いです。

まだ時期は決定していませんが、次回の定例会にぜひいらして今度は自分の思いをそこで話してみてください。心が軽くなりますから。

日本骨髄腫患者の会福岡ブロック会に行ってきました!2014年11月05日 12時24分50秒

11月3日骨髄腫患者の会福岡ブロック会がふくふくプラザで開催され、お手伝いに行って来ました。

当日は暑からず寒からずの秋晴れで、患者さんたちも集まりやすかったのではないでしょうか。いい規模の講演会でした。

講演は以下の4題で、休憩を挟んで、質疑応答と交流会がありました。

講演Ⅰ 「骨髄腫ってどんな病気?」 大崎先生
講演Ⅱ 「骨髄腫の治療とは?」 高瀬先生
講演Ⅲ 「骨髄腫との付き合い方」 上村先生
講演Ⅳ 「骨髄腫のリハビリ体操」 本田先生

大阪の血液学会の直後のお疲れのところ、急いで戻ってきてたくさんの先生がボランティアで関わって下さいました。本当に頭の下がる思いです。

福岡大学病院 腫瘍・血液・感染症内科    高松 泰 先生
九州がんセンター 血液内科          安部 康信 先生
久留米大学病院 血液・腫瘍内科       大﨑 浩一 先生
九州病院 血液・腫瘍内科            小川 亮介 先生
原三信病院 血液内科              上村 智彦 先生
九州医療センター 血液内科          高瀬 謙 先生
村上華林堂病院  リハビリテーション科    本田 直也 先生

どの先生の講演も何度聞いても為になりますが、今回初登場の理学療法士の本田先生のリハビリ体操のお話はとても勉強になりました。骨髄腫の患者さんだけでなく、移植患者にとっても役に立ちそうです。

交流会では以下の4グループに分かれて先生方にも入って頂きました。
①診断後間もない方
②移植治療された方
③薬による治療をされている方
④家族の方

私は持ち場を離れる事が出来なかったので交流会へは参加出来なかったのですが、一番近くのグループが②でした。

そのグループには大崎先生が入っていて、大きな明瞭な滑舌のよい喋り方で答えていらしたので、役に立つ情報が漏れ聞こえてきてラッキーでした(*^^)v

さあ、これが終わったらいよいよ15日はリボンの会の20周年記念講演会です。毎週のように集まってリハーサルをしているのですが、間際の変更も出て大変です。

何せ、新しい浜の町病院で講演会を開催するのは初めてなので、色んな設備ややり方にも慣れていないんです(^_^;)

でも、プロがお金を取ってやっているイベントではないので、ちょっとしたハプニングもご愛嬌と思ってお許しください。たくさんの参加をお待ちしています。

15日も晴れるといいな~。寒くないといいな~。皆さん暖かくしてお出かけくださいね(^O^)/

20周年記念事業実行委員会が開かれました2014年08月31日 13時17分32秒

昨日定例会の前に朝から集まって実行委員会が開かれました。

記念講演会は2部構成になっていて、1部が先生方の医療講演、2部が患者・家族のテーブルディスカッションになっています。

今回は実際の現場を見て、講演会の内容や段取りの詳細を詰めていったのですが、今までやりなれた古い病院の講堂とは勝手が違い、1つ1つ確認していく作業が必要です。

まず今度の講堂には前に壇がないのです。これでは演者席で立って発表するときはいいのですが、座って患者さん同士のテーブルディスカッションの時には、顔も見えません。

そこで壇をレンタルすることも考えたのですが、予算的にかなり厳しいものがあるので、何とかカメラで背後のスクリーンに顔を映し出せないかということで検討しています。

これから進行表を作って、さらに細かい打ち合わせをしていかねばなりません。あと何回みんなで集まれるか...?

講演の方は演目だけを決めて内容は先生方にお任せなので楽なのですが、せっかくいい講演をしてくださる先生方に失礼のないようスムーズな進行を心がけたいと思っています。

テーブルディスカッションは患者や家族の方なので、こちらも事前に集まって入念な打ち合わせをせねばなりません。

マスコミへの広報活動も大切ですし...そうそうチラシやポスターの原案が決まりましたので印刷にかけ、もうしばらくしたら会報と共にお手元に配布する予定です。HPには出来次第UPします。

久しぶりにリボンの会が主催する医療講演会です。東京から虎の門病院の谷口先生もお招きするし、本当に患者さんにとって実のあるいいものにしたいです。

それにしても寄付だけで運営しているリボンの会ですので正直予算キビシイです。

お気持ちのある方よろしくお願いしま~す↓(決して強制ではありません)
http://www.ribbonnokai.org/cont7/main.html

そして会場を快く提供して頂ける浜の町病院にも感謝いたします。

定例会が開かれました!2014年08月31日 10時46分25秒

8月30日(土)浜の町病院3階会議室2・3において定例会が開かれました。

この日は福岡は珍しく晴れ。夏休み最後の週末で皆さん予定もいろいろおありだったでしょうが、30名ほどの参加がありました。

まず自己紹介から始まり、今回は患者のNさんの体験発表がありました。Nさんの病歴などから特定されるのは本意ではないので詳しくは書けませんが移植は受けられています。

むしろ移植そのものよりその後の社会復帰の問題で赤裸々な体験談をお話しいただき、発表までには色々な葛藤があっただろうに、その勇気に感服しました。

Nさんとは何度もお会いしていますが、今まで私のNさんに対する印象はおとなしく控えめで、あまり自分のことを話さず人の話を聞いているイメージがあったので、堂々と体験を話す姿はいい意味で少し吹っ切れたのかなとも思いました。

Nさん自身もこのような機会に大勢の前で話せてよかったと仰っていました。司会の方もNさんを見る度に元気になっている気がすると言ってましたが、表情が明るいとこんなにも元気に見えるのかと、私も思いました。

人に話したことですぐに何が解決するわけではないのですが、自分の中で整理して考えられるようになるという点は患者会の良いところではないでしょうか。

Nさんの発表をもとに、衛藤先生を交えてフリートークが始まりました。Nさんが答えたり先生が答えたり経験のある先輩患者が答えたりと結構広がりのあるトークになりました。

休憩中に質問用紙を集め、それに衛藤先生が回答。それもちょっとだいぶ深刻な内容なのでここでは詳しくは触れません。

その後、疾患別に分かれての交流会では必ず全員にひとこと以上は喋ってもらおうと5~6人の小さなグループになってもらいました。

私は家族のグループに入ったのですが、先ほど質問された方もいらして、詳しくまた状況を話されました。とくに何かアドバイスをしなくても繰り返し話されることで自分なりの答えを見つけていかれるのです。そして彼女もやはり話せてよかったといって帰られたのでほっとしました。

皆さんが帰られた後、スタッフ同士でグループの話し合いの結果を報告し合いました。どのグループも全員が話されたとのことで、やはりこの規模のグループ分けが話しやすいとの結論に至りました。

私自身久しぶりの定例会でしたが、やはりリボンの会の活動の原点は定例会にあると実感しました。1年前の定例会はちょうど息子の退院の日と重なっていたため出られませんでした。出ても人の話に耳を傾ける余裕がなかったでしょう。

1年経ち、移植後の療養生活もだいぶ落ち着いてきました。もう卒業かな?と思う気持ちのある一方、こんな私でも何かお役に立てるうちはスタッフとして関わっていくべきなのかと逡巡しています。

九大の医療講演会に行ってきました!2014年07月26日 13時02分21秒

臨床腫瘍学会から間もない7月21日(月祝)13時30分~16時30分、九州大学病院の百年講堂で第6回血液疾患医療講演会が開催されました。

九大以外の患者・家族も参加できますが、今回は事前にプログラムの詳細がわからなかったため、私たちも具体的な告知ができませんでした。

参加人数は前回よりずいぶん少なかったように思いましたが、内容は斬新で濃く、療養中の移植患者にとって実際に役立つものでした。以下は講演の記録というより、私の感想と言った程度でお読みください。

まず最初に原三信病院産婦人科の片岡恵子先生が「抗がん剤治療と卵巣機能」についてお話されました。

いわゆる妊孕(にんよう)性について、主に女性患者の場合について話されたのですが、男女とも「命が助かればいいじゃないか」といった発想の治療から、「治療後その人がどう生きるのか?」を踏まえた治療へと、ゆっくりですが変化しつつあるということでした。

化学療法だけでも精巣や卵巣毒性がありますが、やはり放射線治療のダメージは大きく、従って造血幹細胞移植の前処置は二重のダメージを受け、ほとんどの患者が不妊になるわけです。

もちろん急性白血病のように本人の命を優先せざるを得ない患者の場合は困難ですが、治療開始までに猶予のある患者の場合は何とか妊孕性を残すような取り組みが可能になって来ました。

以前は技術的にパートナーのいる患者の場合、受精卵の凍結保存が一般的でしたが、今では未授精卵の凍結保存や卵巣の凍結保存の技術も進んできました。

もちろんそれと同時に卵巣機能を一時的に休ませて保護するGnRHa療法(リュープリンなど)も行います。移植治療後に再びホルモン療法で回復させるのですが、100%という訳にはいきません。それでも諦めずに長期間ホルモン治療を続ける意義はあるそうです。

治療後深い寛解が得られパートナーと出会って、いざ凍結した卵子や精子を使って不妊治療を受ける時にも高いハードルが待っています。現在の技術では未授精の卵子や精子は解凍時にダメージを受けやすく、確率が下がるのでいわゆる体外受精(顕微授精)をしなければなりません。

高額な不妊治療費に加え、精神的な負担も大きいと聞きます。それでも、最初から子どもを持つ選択肢がなく厳しい治療に臨むのと、少しでも可能性を残しつつ治療を受けるのとでは、患者のモチベーションに差が出てくるのではないでしょうか。

もちろん世間には子どもを持たない選択をするカップルもいますし、血液疾患の治療以外の理由で不妊になる方もおられます。何が何でも自分の子をというのはワガママなのかもしれませんが、息子のささやかな夢「普通の家庭を持って子どもと遊ぶ」を叶えさせてやりたいと願っています。

うちには間に合いませんでしたがそのうち精巣凍結保存という治療法も出てくることでしょう。そんな情報も患者が聞かなければ提供されないのではなく、血液内科医が産婦人科や泌尿器科と連携を取って、患者に提供してもらえればありがたいし、生きる意欲につながっていくと思います。

2番目に九大全身管理歯科の二木寿子先生が「血液の病気と歯科の関わり」と題して血液疾患患者の口腔ケアについて話されました。

移植の前処置の前に、歯を抜かれた経験のある方も多いでしょう。深いう歯の場合は抜歯しかありませんが、治療開始までに時間のある軽度のう歯なら治療して移植に臨むことができるそうです。

口腔は常在菌の多い環境なので九大では移植前にセルフケアの指導もし、移植中もラウンドして粘膜障害のひどい患者にはレーザー治療を行っているそうです。

3番目に2年前九大から北大に行かれた豊嶋崇徳先生が「血液病治療の過去から未来へ」という講演をされました。

今からたった60年前、白血病に有効な治療はないといったウイントローブ博士が驚くばかりの血液病治療の進化についての話でした。抗がん剤だけではない抗体治療や分子標的薬の話を多方面からしていた頂いたのですが、印象に残った小話の一つ。

1889年、あのシャーロック・ホームズの作者であるコナン・ドイルが白血病には亜ヒ酸が効くって発見したんですって~!知らなかった。これが今やAPL(急性前骨髄性白血病)の治療にもつながってますよね。

最後に原三信病院の「移植患者の生ワクチン接種の積極的取り組み」について、がん化学療法看護認定看護師の横田宜子さんから発表がありました。

移植患者にとって社会復帰には色々な障壁がありますが、そのひとつが免疫抑制剤やステロイド服用による易感染。つまり病気にかかり易いって問題です。

自分の免疫システムを一度破壊してから、他人様の造血幹細胞を頂いている訳ですから、自分がかつて罹患したり予防接種で獲得したりした抗体が、赤ちゃん同様になくなってしまっているのです。

そこで予防接種をどのように受けて新たに獲得していくかを病院側がガイドラインを作り、罹患の可能性の高い患者を対象に生ワクチンの積極的に受けてもらうようにしました。

条件は
①移植後2年経過している。
②GVHDがない。
③免疫抑制剤が切れている(ステロイドは少量ならよい)。

対象は
①自分に小さな子どもやお孫さんがいる方
②保育士や先生など職業柄小さな子どもと接する方
③医療現場のスタッフ
④接客業など不特定多数の人と接する業種の方

まずは患者に抗体検査(保険適用)を受けてもらう。
抗体のなかったものについて発注し接種(自費診療)。
接種後1時間安静にして副反応を見る。
本人にもワクチン日誌をつけて体調を管理してもらう。

生ワクチンは4種類。はしか、水疱瘡、風疹、おたふくかぜでいずれも成人してからでは重症化し危険である。リスク回避の為だが重篤な副作用もある。

不活化ワクチンについては問題ないのでインフルエンザは1シーズンに2回接種、肺炎球菌について毎年接種が望ましいそうです。

リボンの会の勉強会でも取り上げられたテーマですが、接種は基本的に患者個人に任されており、接種に二の足を踏むことも多いのが現状です。原三信病院の取り組みは素晴らしいと思いました。

講演後ラウンドテーブルディスカッションが予定されていたのですが、質疑応答が白熱して時間が押してお開きとなってしまいました。

今後も年2回程度の開催を考えていらっしゃるようでしたが、もう少し詳細な告知を早めにしてもらえたら、もっとたくさんの患者さんに聞いてもらえるのにと残念に思いました。

血液疾患治療の周辺の部分に関する、このような講演が今後もっと増えてくるといいなと思います。治る患者が増えてきたからこそ、その後の人生をQOLを高く保って生きていくために知っておきたい内容だと思うのです。