リボンの会のHPを作ろうと思ったわけ2005年05月28日 09時29分05秒

私がリボンの会を知ったのは、福岡市の市政だよりに白血病の講演会のイベントの記事を見つけたのがきっかけでした。息子の発病から半年が経っていました。

18歳の息子の病名は急性リンパ性白血病。医師から病名を告げられた時、自分でも不思議なくらい冷静でした。それは取り乱しても当然の重い宣告であったにも関わらず、私たち親子の日常生活からあまりにもかけ離れていたため、実感が湧かなかったのです。

お医者様が優しく「何でも聞いて下さい。」とおっしゃっても、一体何を聞いていいのかわからない。とにかく病気のことを知りたい。3日間くらいは泣いて、寝ずにネットで病気のことを調べまくりました。知識が増えるにつれ、私は落ち着きを取り戻していきました。

治療方針は医師と信頼関係が取れていたので不満はありませんでしたが、苛酷な化学療法が終わり退院が近づくにつれ、こんなボロボロに痛めつけられた体で、今度は順調な社会復帰が出来るのだろうかと不安になってきました。なぜなら、私がネットでみた患者のHPは皆一様に前向きで、自分の体験を社会に堂々とアピールしていたから...

少し息苦しくなりました。

そんな時、市政だよりのイベントに参加して出会ったリボンの会の会員の方に、「みんなそんなに強くないよ。自分に不利な事をわざわざ言わなくてもいいんだよ。」と言われました。肩の力が抜けて気持ちが楽になりました。

息子はこれから、就職も結婚も希望が叶うかわからない、それどころか再発すれば移植も考えなければならないでしょう。生命の保障もない。でも起こってもいない先のことをあれこれ悩んでも仕方がありません。

ここに来ればとにかく同じような体験をした人がいます。変に同情したり、根拠のない気休めをいったりしない代わりに共感してくれます。それがとってもありがたいのです。 

一年前の私のような人たちに、この会の存在を知ってもらいたくて、このサイトを作りました。